第7話    君の傍

野乃が「あ、あのさ。道成って好きな人とかいる?」と突然聞いてきたので、道成が「お?そんな事を聞くか?」と尋ねてきた。

道成が「いかんせん。そんな事をなぜ聞くかな?」と野乃に、ジュースを吹っかけて話をした。

野乃が「汚いじゃない。人の顔にジュースを掛けないでよ」と怒鳴った。

道成が「だって、人に突然、好きな人がいるのって聞く方がおかしいだろう?」と野乃に返事を返した。

野乃が「そりゃー、そうだけど」とムッとしたような顔をした。

道成が「まぁ~、気になる人は居るな」と野乃に返事を返した。

野乃が「それ誰?気になる」とふざけて笑って見せた。

道成が「それは、後から分かるものでは無いのかな」と野乃の返事に答えた。

野乃が「ケチ、教えてくれたっていいじゃん」と更にムッとした顔をしていた。

香子が「二人で何を話しているの?」と楽しそうに話しかけた。

道成が「え?俺の気になっている人が誰だとか、好きな奴は誰だとかの話だよ」と香子に話し掛けた。

香子が「へー?誰の事が気になるの?」と道成に尋ねると、道成が「それは・・・」と香子の方を見た。

野乃が「あ、お姉ちゃんのほうを見た-。私じゃないの?」と道成に向って声を掛けた。

香子が「ほら、辞めなさい。野乃」と野乃を落ち着かせた。

野乃が「しょうがないな。お姉ちゃんが好きなら、さっさと告白しちゃえばいいのに」と明らかに道成の気持ちを見透かしたような眼をしていた。

道成が「そうか?告白しちゃえばいいんだな」と野乃の言葉に一喜一憂していた。

香子が「ん?どうしたの?道成」と尋ねると、道成が「俺、やっぱり香子の事がなんか好きになっちまったみたいでさ」と道成に告白をされて、香子は顔を赤らめていた。

夕焼けの屋上の日差しが、今にも二人を包み込むようにして照らしていた。

香子は「ありがとう。でも、例え道成と付き合うことになっても、野乃とも大切な兄弟だし、切磋琢磨できる家族だと思っているよ」と野乃に気持ちを伝えた。

野乃が「ありがとう。お姉ちゃん。そして、何時までも道成とお幸せにね」と涙を流して香子たちの幸せを願った。

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