第13話

奈央は、家では普通に過ごした。


塾長は「家庭での復習が大切」と言うが、陽介は『知育』を嫌がる。

「子供は自然が一番。公立からでも俺の大学は入れるさ」


「それは違うわ」

食後のコーヒーを飲みながら詩織が反対した。

今日は『人気テーマパーク』の帰りだ。


「御主人の頃とは時代が違うもの」

「そうですよね」


「男性には理解しにくいのよ。特に優秀な男性は。

 御自分が簡単に入れたから、誰でも入れると思ってらっしゃるの」


確かにそうだ。

陽介の親族は全員高学歴。誰でも同じと思ってるんだ。

詩織さんの話は納得できる!


詩織に対する奈央の傾倒は止まらない。

もはや崇拝、いや信仰に近い状態だ。


だが、それを危惧する人がいた。


『久しぶりに公園で話そ。ベンチで待ってる』


奈央のスマホに美咲からのLIEEが届いた。

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