瞬の物語

影山 みはつ

第1話 これからの生き方

瞬は、学校に通う高校三年生だ。賢太とは奇跡的に通う高校が一緒だった。賢太が「おはよう。瞬」と挨拶をして来た。瞬が「おはよう。賢太」と挨拶を返した。賢太が「瞬、今まで部活を見て来たけど、やりたいものが見つからなくて帰宅部だったし、でも、最近は将来の事を考えなきゃならないだろう?俺だったら断然、歌やって何処かのクラブで披露したいなって夢がある。その為にアルバイトを初めてお金も貯めたいなと思っているよ」と瞬に話し掛けていた。瞬が「そうだなぁ。俺は地道にアルバイトをして人の役に立つ仕事がしたいけど、何が有るだろうなぁ」と上の空を眺めて話をしていた。瞬は高校を卒業し社会人になっていた。保育士の実習や学校に通うお金をアルバイト代から出して、通って、実習に行ったが中々上手く行かない。訪問介護は「馴れない人が、私の介護をするなんて嫌だわ。職員さん呼んで」と言われる。そんな職場にも自分の居場所はなく、介護用語も上手く使えなかった。瞬は事務職の仕事を始めて、事務員として印刷をして、書類を集めて提出し、書類作成をパソコンでやった。スーツで出勤した瞬は、また新しい職場で毎日書類に追われて、それこそ毎日は過酷だったが働いている仲間と協力して、出来ない事は頼み、出来る事は出来るなりに頑張って書類作成をした。瞬も仕事が順調に軌道に乗って来た頃ある日、同僚からコンパに誘われた。

そこのコンパに瞬は気が乗らなかったのか、とりあえず「こんにちは」と挨拶をして席を立った。瞬は「あぁ、すみません。ちょっと席を外します」と言って外へ向かった。外は雨も降らず、空は星が出ていてキラキラしていて、綺麗な街のネオンが目に入って来た。瞬は「気が乗らないコンパなんて最初から参加しなきゃ良かったなぁ」と思い、瞬は不意に横を向いた。その隣にはピンク色のドレスを着た可愛い佳代子と言う女性が一人で立っていた。佳代子は、ずっと外を見ていたので瞬は「あの、初めまして。俺は、瞬と言います。よろしくお願いします」と自己紹介をして、続いて佳代子が自己紹介を始めた。佳代子は「私は、佳代子と言います。此処では親達と一緒に来ていますが、親達だけで決めた結婚相手も来ています。結婚式には出たくないので、近所の知り合いと言ってかくまって貰いたいの。どうか、お願い」と言って瞬は佳代子に頼まれた。瞬は「頼まれた事なら、やるから良いよ。ただし、条件がある。僕と付き合ってほしい」と条件を出して佳代子と約束を交わした。佳代子が「ありがとうございます。じゃ、お願いします。」と瞬にお辞儀をした。佳代子の父親が、佳代子の事が心配でドアを開けてホテルの五階のベランダに来た。ドアをガラガラと開けて入って来ると「佳代子の父だ。何だ?君は?」と聞かれて、瞬が「僕は瞬と言います。佳代子さんの近所の知り合いで友達として仲良くして貰って居ます。佳代子さんは、親達から決められた結婚が嫌で結婚式に出たくないとの事です。どうか、佳代子さんの気持ちも分かってあげてください」と佳代子の気持ちになって佳代子の父親に説得をした。佳代子の父親が「分かった。君が結婚相手の代わりに、佳代子を幸せにしてくれるのかな?じゃ、頼んだよ。瞬君」と声を掛けられて、ピンと背中を伸ばして緊張した面持ちで瞬は「はい」と一回だけ返事を返した。佳代子の父親が「良いだろう」と言ってベランダのドアを閉めた。佳代子が「ふぅ~。何とか話が着いて良かったね」と安堵の笑みを浮かべていた。佳代子が、父親の元へと帰って行く姿を瞬は見送っていた。ユートリアムと言うホテルで瞬や同僚とコンパをしていて、佳代子は結婚相手の男性と結婚式のセッティングをしようとしていた時に出会った。本当に何故か運命を感じるような出会いだった。佳代子と偶然出会い、少し佳代子とは初めて会ったような雰囲気でなく昔から友達だったような感覚を憶えていた。それだけ優しい存在になっていた、佳代子と瞬は内緒で付き合い、同棲を初めて結婚をし、お互いがお互いに支え合って幸せに暮らした。



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