第7話 クリスマス

12月…



楓は、できるだけ剣と一緒に帰るようにしたり…


話をするようにしていた。


もっと、近づかないと…


でも、近づき過ぎて嫌われるんじゃないかとも思ったり…



―――恋愛って難しいよね…



でも、昔と同じ過ちを繰り返さないようにしなきゃ…


私には、あと9か月くらいしか残ってないんだもん。



もうすぐクリスマスかぁ


恋愛といえば、クリスマスに一緒に過ごすのは定番だけど…


私と剣ってクリスマスに何かしたっけ?


覚えてない…


ってことは、何もしてないのかな?



でも、今度はクリスマスイベントしたいな…


イベントっていっても、昔はイルミネーションとかも無かったし…


何をすれば?



プレゼント交換?


そんなことするより、一緒に過ごしたい…



クリスマスあたりって休みはどうだったかな…


楓はカレンダーを見た。


え~、クリスマスイヴは水曜日で、クリスマスは木曜日じゃん。


日曜日は28日かぁ。


その前の日曜日が21日…


その辺りで、会えないかな…



楓は、ほとんど剣と一緒に帰っているけど…


いつも誰かが一緒にいるから…


なかなか二人っきりになれない…



だから…遠くに行かなくてもいいから…


二人っきりになりたいな…



そうだ!


クリスマスの夜に、公園で会えばいいんじゃない…



楓のお父さんは、放任主義で…


楓の行動には、あまり口うるさくない。


祥子の家に行ってくるって言えばいいかも?



でも剣は出れるかな?



翌日、剣に聞いてみた。



「剣って、夜出れる?少しでもいいからさ」


「うん、出れるよ。大丈夫だと思う。なんで?」


「いや…たまには二人で会いたいなって思って…クリスマス来るし…」


「いいね。会おうよ」


「ホント⁉やったー!じゃ、24日の水曜日の20時に公園にしようか?」


「いいよ」



楓は、本当はすごく恥ずかしかった…


でも、今しかこの世界にいれないんだって思ったら勇気が出た…



そして…24日。


楓は、少し前に公園に行った。


寒かったけど…


剣に会えるなら、これくらい我慢できる。



少ししたら剣が現れて…



「楓、早いじゃん。待った?」


「ううん、そんなに待ってないよ」


二人で公園のブランコに乗りながら話をした。



楓は、恥ずかしくて…



「次は、すべり台しようかな」


そう言って立ち上がった時に、フラフラっとして…


剣の、膝の上に乗ってしまった…



「あっ、ごめん。重かったでしょ?」


楓は、すぐ立ち上がった…


「いや、大丈夫…」


「恥ずかしいね…私、ドジだから…」


「そういう所も、俺は好きだよ」


「ありがとう。私も剣が大好き」


二人は、寒い中…公園で遅くまで話した…



キャー!


こんなシーン、前には無かったよ…


嬉しい…


もっと、もっとがんばらなきゃね…


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