第5話:先生の鼻歌柄のダリアかな

先生の鼻歌柄のダリアかな

せんせいのはなうたがらのだりあかな



 ダリアには様々な色や模様があり、品種は3万以上あり、花の中でも多い。それはダリアの花を持ち込む、私の先生が何度も繰り返す自慢話。


 ダリアからすれば人間の品種なんて少ないとか何とか……。ここからは、ほとんど話は聞いていない。心を無にして、話が終わるのを待つだけ。

 私の病室を彩るのは、先生のうんちくダリアだけなのだから、そこは我慢するしかない。


 今日は特に自慢気に見せてくるダリア。そのダリアの色を、私は「先生の鼻歌柄」に決めた。

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