第2話:朝焼や点滴の遅きカウント

朝焼や点滴の遅きカウント

あさやけやてんてきのおそきかうんと



 朝焼けは、何か不吉なことが起こる前兆とは祖母から聞いた話。

 でもそんなことは、今の私には些細なこと。朝焼けを浴びても、私を拘束する点滴は、いつもと変わらず遅い。夜通し動いて、それでも変わることなく、淡々と仕事をこなす。


 常に私を監視し、束縛する。ゆっくりゆっくりと落ちるリズムは、私の感覚を麻痺させ、洗脳しようとしているのかもしれない。


 聞こえないはずのない、点滴の落ちる音が聞こえるんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る