第38話 共依存~第一部完~
「……あ、たしは……イヤ……」
どれだけ我儘なんだろうって思いながら、言葉を吐き出す。
「えーっと……枝務さんが……真鈴が好きです。付き合って下さい」
息を大きく吸い込んだ後に、江洲が言ってきた。
言ってきてくれた。
凄い嬉しい。
『ホント?』なんて思うけど、我儘で素直じゃないあたしは
「……ヘンタイで……マゾだけど……いいの?」
そんなの江洲は分かってるはずで、自分で『我儘で素直じゃないけど、可愛げがないけど』とかじゃなくて、『ヘンタイとマゾ』って言ってるんだから、バカみたい。
でもね、あたしと江洲との関係はそこがスタートだから。
「もちろん」
「……んっ、だ、だよね。あたしのカレシはドSだもんね」
顔を上げたら、江洲が少し屈んできて、顔が近づいて来た。
あたしは何をされるのか瞬時に理解できたから、瞳を閉じて、少し唇を突き出してキス受けの体勢になって。
お互いの唇が重ね合わさると、そこからお互いに貪るように甘くて甘美なキスに酔ってしまう。
「んっ、あっ……」
凄く気持ち良い。
また蕩けちゃう。
「あっ、あっ……江洲……好き……」
江洲が半開きになったあたしの唇の上下を啄んでくると、そう言っていた。
ウソじゃないんだけど、これも何だか、江洲に言わされたって感じもして、実は嬉しかったり。
江洲の舌が丁寧にあたしの唇を舐めてきて、あたしは熱い息を漏らして……。
「はぁぁ……」
うっとりしてる甘い声を出して。
江洲の舌が口内に入ってくると、あたしも舌で出迎えるけど、江洲があたしのスカートの後ろを豪快にめくりあげてきて、無防備なお尻をこんな場所で曝け出している事に、ゾクゾクってなって、舌の動きがに鈍くなっていって……。
そして、あたしの舌は動かなくなってしまった。
『やだぁ……だめぇ……』
なんて言いたいけど、江洲の舌はあたしの口内を犯すように、時に丁寧に、時に激しく動いて、あたしの感度をあげていって。
あたしは軽くお尻を突く出して、左右に振ってしまう。
丁寧だけど激しく動く江洲の舌に翻弄されるあたし。
はぁ……気持ち良い。
凄く、凄く気持ち良い。
まさか、江洲とこんなキスをして、蕩けてるなんて……。
『パシンッ』
乾いた音が響くと、あたしは顔を更に上にあげて、唇を離し
『パシンッ』
再び、乾いた音と共にお尻に掌を感触と、刺激を感じたら、もうダメ。
「あっあっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
こんなに蕩けてる時に、あたしが好きな事をされたら、イっちゃうに決まってる。
「真鈴。可愛い」
江洲の言葉に、恥ずかしいけど、嬉しくて。
浅い呼吸をしながら
「いまさら……なによっ……んっ……はぁぁ……」
「うん。前々からずっと可愛い女の子だなぁって思ってたけど……」
え?あたしの事、前から好きだったんだ?
マゾとかじゃなくて、ドMってバレる前から?
心臓がキュンキュンって高鳴る。
「でも、Mっ気全開の真鈴は凄く可愛い」
もうっ……江洲のバカ。
あたしのトキメキを返せーっ。
ううん、凄く嬉しいんだけどね。
「ばかっ……江洲だって他人の事は言えないでしょ?……江洲からSっ気失くしたら普通の人じゃんっ」
「じゃあ、お似合いだね」
「そうだよ。あたしと江洲は、ベストカップルなんだからっ」
こんなやりとりをできるのも江洲だから。
これって共依存って云うのかな?
分かんないけど、あたしと江洲はワンセットの関係でずっといたいなぁ……。
まさか、江洲とこんな関係になるなんて夢にも思わなかったけどさ。
これからもあたしを存分に甘えさせてね。
江洲の前なら、あたしは本当のあたしを開放できるから――。
~一部完~
【完結】地味男子にメイド喫茶でノーパンになってるギャルのあたしがバイトしてることがバレるなんてーっ! ふー @nakofu
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