第35話 実際はどうなの?
「枝務さんは、バカなボクを『専用』って言ってくれて受け入れてくれるから」
うぅっ……何だかそれを言われると恥ずかしい。
『専用』って言葉があるのと無いのとでは、全然、違う言い回しになるけど、あたしの好きな言い回しをしくるんだから……。
あたしを知り尽くしてる感じが憎たらしい。
けど、その好きな言い回しの言葉責めをされてるって感じが、堪らなく嬉しくなったり。
こんなヘンタイのあたしを受け入れてくれてるのは江州でしょ?って……。
でも、ここで何て言うか……
『あたしと相性が良いから専用にしてあげた』
は、何か違うって言うか……。
あたしらしいようで、あたしらしくないって言うか……。
「……ばかっ……もうっ……ホントにばか」
結局、口から飛び出したのは、ありきたりな照れ隠しの言葉。
何て答えたら良いのか分からないんだもん。
「うん。でもね……枝務さんだから、いぢめたくなる」
あぁんっ、もうっ……ばかばかっ。
心臓がキュンって。
あたし、何をトキメイてるんだろ……。
江洲から『枝務さんだから』って言われると、嬉しいの?
うん、嬉しいんだよ。
あたしだから、あたしの好きな事をしてくれて。
具体的には言わないけど……。
「……だから……痴漢プレイなの?」
あっ……また自分から……。
ノーパンノーブラなのにいつものようにスカートの丈は短くしたままで、白いブラウスから乳房の突起を透けさせた制服姿で電車に乗って、あたしの無防備なソコを弄られて、イされて……。
痴漢されて絶頂を迎えた事を想像していた事を暴露しちゃった。
痴漢にパンツを脱がされて、お尻をつねられた事を思い出していたのを最初からバレていたとは思うけど……。
クスって笑った江洲の手が、またスカートの後ろから忍びこんできて、無防備なお尻を指先で摘まみ上げてきて……。
『正解』って言ってるように軽くつねってくる意地悪さ。
イったばかりで感度があがっている状態なのに……。
だから、身体がビクンと跳ねてしまう。
あたしが『痴漢プレイって刺激的だよね』って、同意してるかのように……。
あくまで江洲だからなんだけど、それだけは江州に分かって欲しいなぁって思う。
でも、それも分かってるんだろうなぁって思ったり。
「んっ、んんっ……んぅぅぅんっ」
声を我慢するの大変なんだからっ。
蕩けた表情で江洲の顔を見ても、無駄だろうけどさ。
蕩けた顔を見せただけになっちゃう。
そんなあたしの顔を見て、江洲は嬉しそうに笑顔を浮かべて
「真鈴ってドMだから」
やぁぁぁっん。
この場面でその言葉を言わないでよぅ……。
しかも呼び方を『真鈴』に変えて、言わないでよぅ……。
瞳を更に潤ませて、江洲の顔を見つめたまま
「んっ……出夢……いぢわるっ……」
またスイッチが入っちゃう。
入れられちゃった。
甘ったるい声で、『出夢』って名前で呼んで、カレシにいぢめられて嬉しがってるエッチなカノジョ状態に……。
カレとカノジョだから成立するんだよね。
こういうのってさ。
カレシとカノジョになってないけど……。
この曖昧な関係も堪らなく刺激的なんだよね。
江洲は『あたしだけ』って言ってくれてるし、あたしも『江洲だけ』って、言ってるけど、実際のところはどうなんだろう?って思うよ――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます