第13話 正直に

 言われてもないのに、トップスのホックに手を回して、プチっと外し、

肩紐を腕から抜き取って、自慢のおっぱいを『たぷん』って、揺らせる。

 手をテーブルに戻して、顔を隠すように突っ伏して。


 恥ずかしすぎて、江洲の顔は見れなかったけど、上半身には首元の

リボンタイしかないあたしになって、どう思ってるんだろう?

 どんな顔をしてるんだろう?って気になるのは当然だよね。

 あたしの顔も江洲の顔もさ。


 こんなにも露骨に誘っているのに、江洲は耳元に顔を寄せて来て


「枝務さんは、何をされたいの?」


 なんて囁いて尋ねてくる意地悪さ。

『まりん』じゃなくて、『枝務さん』って呼んでくるのもズルイ。


 きっと自分から脱いだから、余計に江洲のS性を刺激させたっていうか、あたしが刺激を欲している事もバレバレなんだろうなって思うけど。

 んんぅ……とにかく、このS加減と言い回しが絶妙な言葉攻めが、好きすぎて。


「あっ……んぅっ……わ、分かってる……くせに…」


 突っ伏したまま、小さい声で恥じらいを隠さないで言うと、耳の中に舌先を挿れてきて、耳の感じる場所を舌先で突いてくる感覚。


「あっ、んっ……だめっ……」


 突っ伏していた顔があがって、身体をくねらせちゃって。


「耳も弱いんだ」


 やだっ、『も』って……。

 あたしの事は全部、知ってるみたいに言われたら……。


 もう、あたしの身体は全身が性感帯みたいなものなのに。

 それも知ってるくせに。

 浅い呼吸を続けながら、コクンって頷いて。


 クスっと小さな笑い声が聞こえると、耳から首筋へと甘い刺激を与えられて。

 目を閉じてその感覚に浸りながら、顎を上にあげちゃって。


「んっ、あっ、ふっ……はっ、あぁ……」


 声が止まらなくて。


 首筋から首元にゆっくりと舌で愛でられる感覚にゾクゾクしながら、お尻を振って、気持ち良いって伝える。

 首元から鎖骨に舌が滑ってきて、鎖骨の上を左右に舐めてきて……。

 弱い場所ばかり、舌で攻められるがままに、ウットリしちゃう。


「あっ……き、きもち……いいっ…江洲ぅ……」


 気持ち良くって、甘える声で名前まで呼んじゃって。

 『意地悪だけじゃないよ』って、伝えてくるような感覚に悪い気はしなくって。


 鎖骨から乳房の上側まで舌がやってくると、その山を昇って山頂の尖っている突起に早くって思っちゃう。


 焦らさないでよぅ……。

 でも、焦らされると感度があがって、いざ触れられた時の刺激の威力って凄いって分かるから。


 ゆっくりと、舌が山頂を目指してきて。

 くる、来る、ああっ……早く、早くって期待感を溢れさせていたら、舌が直前でピタって止まり、乳首に息を吹きかけながら


「枝務さんは、オレに何をされたいの?」


 いやぁっ……ここで意地悪?

 ゾクゾクしちゃう。

 好き、ああっ、意地悪されるの好きっ。


「んんっぅ……あぁっ、乳首を……苛めて……ああっ」


 また、恥ずかしい事を言わされて、言っている自分に酔っちゃって。

 もう、きっと触れられただけで、イっちゃう。

 そこまで身体中に波が押し寄せてきているのが分かっているから。


「……苛めてって言葉を使うんだ。枝務さんって真性のマゾだね」


 いやぁぁぁ……無意識に言った言葉を指摘しないで。

『真性のマゾ』って……あぁぁんっ。

 そんな言葉で苛められたら、あたし……もうダメだ。


 顔が熱い、身体が熱い、身体の奥はもっと熱い。

 ああっ、江洲……。

 このままだと、あたしはきっと――。

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