第9話 言葉攻め

「うん。知ってたよ。真鈴がマゾだって事はさ。来る時の電車の中でも、すっごく気持ち良さそうにしていたもんね。今だって、発情しているメスの匂いが料理の香りに勝ってるもん。凄いよ。」


 やぁん、ダメぇ、言わないで。恥ずかしい。

 それって、電車での出来事を、江洲に見られてたって事だよね。


 もしかして、だからあたしを指名したの?

 痴漢されて感じているあたしを、あの時から知っていたから。

 あの時から、あたしの事をマゾだって目で見てたの?


 でも、それだけじゃなくて、何ていうか江洲の言葉の選び方って、ヤバイ。

 真鈴は発情しているメスです。

 江洲が思ってる通りのマゾです。

 イヤイヤする首の動きが止まり、横に立つ江洲の顔を見上げて見つめて。


 ブラのカップ上からするっと内側に指が忍び込んできて、直接に乳首をコリコリと爪で引っ掻かれて、その強い刺激ったら、もうダメ。

 また顎を天井に向けて上げて


「あぁっ……だ、だめ、それ、ああああああっ……んっ……まりん…いっ、ちゃう……!」


 肉芽をなぞっていた手が離れて、乾いたパシーンとの音と、お尻から背中を通って頭部まで刺激が流れる感覚も凄くて。


「あああああぁぁあああぁんっ!!」

 室内に高くて激しくて、甘い嬌声を響かせちゃって。


 お尻を叩かれて、絶頂した事が堪らなく恥ずかしいのに、ウットリとした表情でクタっと顔をテーブルに乗せると、その顔に手が触れて、クイとドアの方に向けさせられて。


 えっ?

 鏡に映るあたしの、誰にも見せた事が無いだろう顔や、姿勢、恰好。

 あたしの背後って鏡だったの?

 お尻を思いっきり突き出してた時に感じた視線は、これ?


 入室直後からあたしが、ノーパンだってバレバレだったんじゃん。

 もう、やだぁ。恥ずかし過ぎるって。

 そりゃさ、パンツを見せるメイド喫茶だから、こういうのもあるんだろうけど、

あたしは、そのパンツを履いていないんだよぅ。


「や、やだぁっ……だめぇ、はずかしいよぅ」

 言葉とは裏腹に甘えた声音が出ちゃって、満更でもない表情になっているはず。


「恥ずかしいの好きだし、意地悪されるのも、意地悪な事を言われるも、好きでしょ?」

 クスと江洲が笑って、当然のように尋ねてきては、更に言葉を続けて。

「あっ、視られるのも好きだよね。いつも学校でパンツ見せてるしさ。何よりも真鈴ってドMだもん。お尻ぺんぺんされて、イっちゃうくらいにね」


 やだ。ダメ。

 私の秘密をばらさないで。

 言わないで。


 今だって、意地悪な言葉攻めに膣から愛液が溢れ出てるんだからぁ……。

 開いた足の間から、床に糸を引きながらポタって零れ落ちていく愛液。


 恥ずかしくて、何も言い返せないで、火照った顔を更に赤くさせて黙っていると、

「ほらね。まだ10分しか経ってないのにね。えっちな汁を床に垂れ流すんだもんなぁ。イったばかりで、感度が高まってたり?」


 もうっ、言わないでよぅ、だめっ、視ないでぇ、あたし、おかしくなる。

 あと50分もあるって、絶対にあたしは……あたしは……堕ちちゃう。

 堕とされちゃう。


 目覚めたばかりの何かが、すぐに開花しちゃいそう。

 開花させられそう。

 あの江洲に――。

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