第2話 失ったパンツ
学校も終わったし、バイトにいこうっと。
電車に乗ると、思った以上に人が居た。
座れると思っていたけど、仕方ないか。
ドアに寄り掛かって電車に揺られながら、俯いたままスマホでも見ようっと。
周囲の事なんて全然、気にしてなくて、スマホに夢中になってた。
背後からスカートの中に手が入ってきて、お尻をやんわりと撫でてくる感覚。
この手は女性のじゃなくて、男性ってすぐに分かる固い手と指。
あたしに痴漢って、まぁ……分かるよ。
だって、あたし可愛いもんね。
それに、腰折して短くしたスカートから見える脚も綺麗でしょ?
振り返って、どんな奴か見てやろうと思ってタイミングを見計らっていたら、
指先の動きに、どんどん感じてきちゃって。
薄手の生地だから余計に指の動きに敏感になったのかな。
バイト先の最寄り駅まですぐだし、少しだけなら許してあげよう。
そうと決まれば無抵抗を決め込んで、足を肩幅に開いたまま、お尻を少し突き出してサービス。
指の動きに合わせて、お尻を揺らしてあげて。
うっ、凄く気持ちよくなってきた。この痴漢、上手いし。
声が出ないように、とりあえず手を口にあてて塞いでおこう。
って、何? 大胆不敵な。
両手がスカートの中の横上に移動してきて、両方の紐パンの紐を一気に下に引っ張ってきた。
パンツが緩む感覚が、えっちすぎてヤバイ。
このままだと、脱がされちゃうじゃん。
ノーガードなんて言ってる場合じゃないよ、これ。
今すぐ防御しないと。
シャレになんないし。
ああぁんっ。
もうっ。
手遅れだった。
脚の間からしゅるんって解かれた紐パンを、抜き取られたちゃったじゃん。
ヤバイ。
スカートのお尻をスマホを持っている手で抑える。
けど、痴漢の手はスカートの内側に入ったままで、生のお尻を触ってくるし。
恥ずかしくなって、俯いたのが失敗だったかな。
でも、口を手で塞いだのは正解だったかもしんない。
痴漢させてあげていたって感覚が、一気に痴漢されて感じているギャルに様変わり。
このシチュエーションは普通にヤバイのに、ノーパンのお尻をこうも指で触られたら、声だってでそうになるよ。
お尻を触られて、声が出そうになって、感じているのがバレたくないって思うと、余計に意識がお尻に向かって、気持ち良くなるループ。
電車が減速してきたって事は、もうすぐだ。
何とかやりすごせそう。
そう思っていたのに、ダメだった。
お尻を指で摘まんできて、キュっとつねってくるんだもん。
無理。
そのチクっとした甘くも感じる刺激に、あたしの何かが煽られて。
思わず背をのけ反らせて、顎が自然にあがって。
手で覆っている唇が開いて、掌に熱い息を感じるのも、ヤバくて。
「あぁんっ」
くぐもっているけど、♡を沢山ちりばめた様な声が出ちゃって、ますます痴漢の正体を確認できなくなっちゃった。
だって、その痴漢さんにバレちゃったから。
恥ずかしすぎるって。
また一緒の電車に乗り合わせたら、わたしのお尻をつねってくるのかな。
電車が止まって、寄り掛かっていたドアが開くと、逃げるように電車から降りる。
誰にも見られてないよね?
心臓がトクトク早くなる。
身体が熱くなるし、顔も熱いし。
恥ずかしいって。
でも、お尻をつねられるって、あんなに気持ちいいんだ。知らなかった――。
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