第52話 倉片さんの家へ
今晩の倉片さんは、いつもの10倍エロかった。
記憶がぶっ飛ぶほどに裸を重ね合わせ、俺の体力も底を尽きた。
ひたすらに倉片さんと愛の交換を続け……いつの間にか朝を迎えていた――。
ヤりすぎて腰がイカれそうになったが、これ以上ない幸せを得た。
風邪を引いてはいけないのでベッドへ移って残りの時間を過ごした。結局、ほとんど寝ていない。
少しでも仮眠を取っておこうと、横になった。
チェックアウトの時間だ。
もう時間ギリギリだった。
「ヤバ、時間だよ。倉片さん!」
「いっけない! 疲れすぎて起きれなかったー…」
慌てて準備をはじめる倉片さん。俺も急いで服を着たり、身なりを整えたりした。
無事にラブホを抜け出した。
……ふぅ、焦った。
「どうする? 職場へ戻る?」
「ごめん、キョウくん。さすがに一度家に帰らないと……」
「そっか」
「あ、よかったら家へ来る?」
「え! 倉片さんの?」
「そ~」
そういえば、一度も倉片さんの家に行ったことがないな。
イイ機会かもしれない。どんな家に住んでいるか気になるし、ついていこう。
「解かった。同行するよ」
「うん。隣町だけどね」
「そうなんだ」
やっぱり都内に住んでいるんだな。
俺は、倉片さんについていく。
徒歩でまずは駅へ向かった。
スマホの交通ICを使い、改札口を突破。
電車を待つこと数分。直ぐにやってきた。乗って次の駅へ向かった。
隣の駅に到着後、同じ手順でICを使って――到着。
「この駅から近いのか?」
「歩いて行けるよ~」
どうやら、かなり近いらしい。いいところに住んでいるんだなぁ。
雑談を交えながらも駅を出て、倉片さんの家を目指す。
駅からは五分ほど歩いた。
「お?」
「ここだよ、キョウくん」
立ち止まる倉片さん。そこには『タワーマンション』があった。
……え、マジっすか。
こりゃやべえな!
金持ちの住むマンションじゃないか。
――あれ、でも。
倉片さんって借金が沢山あって支払いに追われていたんじゃ。今はゼロだけど、前は違ったはずだ。
「ここなの?」
「こっちこっち」
ついていくと、タワーマンションの横をそれていった。アレ、違うのか。
更に少し歩くと『メイド喫茶』が見えてきた。
え?
「なぜメイド喫茶?」
「ここに住んでるんだよね」
「!?」
意味が分からなかった。てか、このメイド喫茶は前に利用したところの一号店だな。こっちが本店なわけだが、どういうことだ。
「ごめん、実は前にキョウくんが連れていってくれたメイド喫茶。知っていたんだよね」
「え?」
「このメイド喫茶のオーナーさんが良い人でね。一年間だけ住ませてくれたんだ。あと一週間で退去だけどね」
そういうことね。どうやら、倉片さんは以前にメイド喫茶で働いていたこともあったようだ。
なるほどね。それで以前、ラブホでメイドのコスプレをしていた時は異様に似合っていたというか、自然に衣装を着られていたわけか。納得。
まさかメイド喫茶に住んでいるとは思わなかった。
だけどあと一週間の期限か。
なら、伊勢崎さんの職場で住めばいいさ。
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