社畜飯

RiR

p r o l o g u e

あぁ、疲れた。

あの上司、がちふざけんな。

今日は定時で帰って久しぶりに自炊しようとか思ってたのに!!

今何時だよ!!!夜中の十二時じゃおらぁ!!!

家の前の坂道を上りながら脳内愚痴大会を繰り広げる俺は誰か。

そう。二十代ギリ前半成人男性、社畜。

その名も、"佐曽羽サソウ 隆暉リュウキ"

かっこいいと思ったろ。違うんだな。

かっこいいのは名前だけだ。

しかし、学生時代の友人からは、苗字と名前の頭文字を取って、「ソリ」と呼ばれているため、唯一の"かっこいい"さえも失われつつある。

行き過ぎた残業とそれによる疲労と睡眠不足で、目のクマと、髪のボサボサ感がとてつもないが、精神年齢が他の同年代より老けているため、中身はどこにでもいるおっさんと等しい。

趣味はメシ巡り。

メシ巡りとは、その名の通り、いろいろな"メシ"を求めて各地を練り歩くことだ。

ご当地メシとか食べたり、一風変わった飯食べたり、そりゃもう楽しいのだが、

最近、ぜんっっっっっっっっっっっっっっっっっぜん行けてねぇ!!!

なんでか!?

あのクソ上司のせいだよ!!

なんだよ、今日は珍しく仕事が早く終わって定時で帰ろうとしたのにさぁ!!!


「佐曽羽くん、もう終わったの?じゃあ俺の分もやっといて。」


なんだよそれ!!

俺もう帰ろうとしてたんだって!!

荷物まとめ終わってたんだって!!

しかも量クッッッッッッッッッッッッソ多いし!?

ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

自分は!?そそくさと!?帰りやがって!?

ナメてんのかごrrrrrrrrらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

…あ~、もうなんだろ。ぜんぶど~でもよくなってきた。

とりあえず、家帰って、飯食お。

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