第20話 確信:食堂のおばちゃんは強い

説明しよう!

俺とカイト、ジンで朝食を食べていたときに、ビャクヤが食堂に再び現れた!

先ほどまでのジャージではなく、かっちりと制服を着こなしたビャクヤがいたのである!

「え、お前、なんで制服着てんの。」

「は?何言ってんの、今日学校でしょ?」

いつもはぱっちりした瞼を細め、呆れたようなジト目でこちらを見てくるビャクヤ。

「ビャク?今日、学校は午後からのはずなんだが…。伝わっていなかったか?」

「は…?」

申し訳なさそうに眉を下げたカイトを前に、毒気が抜けたようなきょとん顔をするビャクヤ。

コイツ、表情ころころ変わって、少し面白おもしれぇ。

「ありゃぁ?ビャクヤさん、もしかして、今日の学校、午前からやと思ってたぁん?」

ジンが、煽るような口調でビャクヤをからかう。

「は!?普通、入学式の次の日は学校じゃないの!?」

「この学校で"普通"が通用すると思ったのか。」

普通じゃないやつが集まってくる学校だぞ。

んな甘い考えは捨てろ(((((

「うぐっ…。知らないし!!てか、先生、昨日そんな事言ってなかったじゃん!」

「いや、ビャク、先生ちゃんと言ってたぞ?」

「え゛…。」

「おぉ。言うとったなぁ。」

「言ってたな。」

「うそだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

勢いで反論したビャクヤに、カイトが冷静にツッコミを入れる。

それに続き、ジンと俺がカイトを肯定すると、即座に頭を抱えて崩れ落ちるビャクヤ。

やはり、今日のビャクヤはギャグ味が強くて面白いな。

HAHA☆(((((

…。

何やってんだ俺。

まぁそれはさておき、

そのまま騒いでいたら、

「あんたら食べ終わったなら騒いでないでさっさと部屋に戻りな!!」

食堂のおばちゃん(典型的)に、怒鳴られて追い出されました。

そして現在、

「もう、カイたちのせいだからね、追い出されたの。」

「そんなにうるさくしてたか~?いや、まあでもうるさかったのか。すまん。」

「いやなに素直に謝ってんの!僕が悪いみたいになってるじゃん!」

「え~…。ビャク難しい…。」

「速報。ビャクヤさんは、なかなかに理不尽やった。」

「勝手にナレーターにならないで!!!」

「せめて部屋に戻ってから大声出せよ。また怒られる。」

食堂の前の廊下でまたもや騒いでおります。

「あんたらうるさいよ!さっきも早く部屋に戻りなと言っただろう!!」

食堂の(おそらく)キッチンから、先ほどのおばちゃんに怒鳴られました。

「…帰るか。」

「…そうだね。」

「…しかたがないね~。」

「せやなぁ!!」

「うるせぇ!!!!」

「はぁ!?」

俺に続き、ビャクヤ、カイト、の順に賛同すると、ジンの声が思ったより大きかったため、思わず全員でツッコむと、

「あんたら、まだいたのかい!いい加減戻りな!」

しびれを切らしたのか、いよいよ食堂から出てきてきたおばちゃんに怒られた。

「あんたらどこの部屋だい?」

「…三〇〇一のレイとビャクヤ、三〇〇二のジンとカイトです。」

とてつもない圧をかけてくるおばちゃんに、ビャクヤが代表してにこやかな笑みで答える。

「…騒いでしまって申し訳ありません。どうか今回は、見逃してもらえませんか?」

それに続き、カイトが見事な貴族スマイルで許しを請う。

「…あら、べっぴんさんねぇ。仕方がないわね、今回だけ許してあげる…」

その言葉に、全員が胸をなでおろしかけたそのとき、

「…なんて、言うとでも思ったのかい?」

おばちゃんの背後から、明らかにドス黒い炎が現れた。

「へ?????」

「アタシがそんな色仕掛けに引っかかるとでも?」

「え、あ、いやぁ…。」

おい。なんか言い訳しろ。色仕掛け仕かけた本人たち。

「罰として、あんたらは今日の夕飯抜き!!!!掃除でもしてな!!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」

食堂のおばちゃん、恐るべし…。(泣)


「あたしゃ、高身長・高学歴・高収入のハンサムな男にしか興味ないさね。

 もうちょい大人になってから出直してきな。」

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黒髪の呪い子。白髪の祝い子。 RiR @otk-writer

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