第85話

「鈴、何があったの?」



質問だけど私に何かあったのかは確信してる。さすがだなぁ…。



「えっと、振られちゃった、」



少し笑いながら言う。私の言葉と表情に桃ちゃんは顔を顰めた。私の代わりにそういう顔をしてくれるから、悲しくなるけど嬉しくもなる。



「振られたって、どうして、?」



「上にね、行きたいんだって。私がランクマ怖くなってること見破られちゃってて、だから、」



だから、応援することにしたの。



溢れてくる涙を何とか堪えながら桃ちゃんに伝える。



「でもね!ちゃんと私に言ってくれたの。たったそれだけの事だけど嬉しかったんだ。だって、何も言わずに切れるより私にちゃんと言ってくれたってことは、るかくんの中にちゃんと私がいたってことでしょ、?」



そう言うと桃ちゃんは泣きそうな顔をしながら私のことを抱きしめてくれるから、頑張って堪えてた涙が溢れ出す。



「ふぇ、も、もちゃん…、」



泣き続ける私を桃ちゃんはずっと抱きしめてくれた。授業開始のチャイムがなってもずっと。

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