第68話

「桃ちゃん、みんなどうしたのこれ」



「あぁ、鈴が笑ってたからじゃない?」



「え、なんで私が笑ったらみんな固まるの」



「それはあんたがいつもあまり笑わないからだと思うけど。私といる時はよく笑うのにね」



「そっかぁ、あまり笑ってなかったのか」



むにむにと自分のほっぺたを触る。結構笑ってたと思ったんだけどそうじゃなかったのか。思い返すと桃ちゃんと一緒にいる時しか笑ってなかったような。



放課後もみんな残ってるけど、ゲームしたくて速攻帰るしな私。よし決めた!



「私これからたくさん笑う!今日から文化祭準備期間だし、るかくんにはOK貰ったから放課後残れる!そんでみんなと楽しく準備したい!」



そう言って笑えばみんなはまた固まってた。意気込んで声掛けてきてくれた子、安西あんざいさんに声を掛ける。



「安西さん!コンセプト決まった?」



「あ、うん!"おとぎ話"になったよ!」



「楽しそう!考えてくれてありがとう!」



コンセプトを聞いて桃ちゃんのところに戻る。おとぎ話かぁ、どんな衣装かな。

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