第53話

「るかくん取られた…」



「…ごめん、なんて?」



「だから、るかくん取られたんだって、知り合って10分そこらの知らない奴に!今日は私と遊ぶ約束してたのにそいつに誘われて1試合やって来るって言ったきりもう30分は経ってるよ!1試合じゃないじゃん!」



拗ねたように桃ちゃんに言えば呆れたようなため息が聞こえた。



「はぁ、なるほどね。それであんたは大好きなるかくん取られて拗ねてるわけね」



「だ…っ」



「否定はさせないわよ。そんなに独占欲出しといて好きって認めない方が可笑しいんだから」



「…好きってもう認めてるよ、」



「あ、やっぱり?やっと認めたのね」



そう言って桃ちゃんは笑う。悔しい、桃ちゃんが言った通り、恋って自分より周りの方が気づくんだって証明したようなもんじゃん。

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