高3 4月

第27話

私たちは3年生になった。もう本格的に進路のことを考えなくてはならなくなった。中学の時とは全く違う進路選択に戸惑う。



この時にはもうLucaとはあまり遊べなくなっていた。1週間に2日、多くて4日しか遊べてない。高校3年生になるとはこういうことなのだ。



頼んでもいないのに「進路」と言う言葉は私たちの後を追ってくる。逃げることも出来ない。今ここで、2学期までに決めなくてはならない自分の未来。




Lucaとは連絡だけは取っている。お互いが落ち着いたら遊ぼう、その言葉を何回繰り返したのか分からない。



心にずっと不安が絡みついて離れてくれない。この世界に私だけ取り残されてくみたいな感覚。みんな進路は決まってるのに私だけ決まってないこの状況。まだ大丈夫、大丈夫って自分に暗示をかける毎日。

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