第16話

気づいたらお互い敬語が外れてた。年齢も同じで名前も「るかくん」「しのちゃん」と呼ぶようになった。幼なじみ以外の人とこんなに遊びたくなるのは初めてだ。それほどまでにShinoのチェイスに惹かれた。



もっとこの人と遊びたい欲が出たのか分からない。いつの間にか言葉を発していた。



『ねぇ、僕と一緒にランクマ行かない?』



普段絶対言わないような言葉。Shinoと上に言ってみたいと直感で思ったとしても初対面の人に言うほど僕は馬鹿じゃない。でも、それを言うほどに僕はShino自身にも惹かれたんだと思う。



時間が流れた。多分悩んでるんだと思う。見た感じランクマは引退してるし、今日出会った人にいきなり言われたらそりゃ戸惑うだろう。断られることを予想してたらその逆で『行きたい』と言ってくれた。嬉しかった。



明日からランクマ潜ってもいいけどShinoはランクマというかマルチも久しぶりだと思うからまずは僕との相性を確かめるという理由でマルチに潜ることにした。相性は確かめるまでもなくいいだろう。



幼なじみが辞めてからやる気の起きなかったゲーム。またやる理由ができた。僕に「固定」はいたけど「相方」と呼べる人はいなかった。いつか「相方」と呼べる人が現れるといいなと夢物語に思っていた時もあった。それは今も思ってる。でも今はその「相方」にShinoがなって欲しい。そう強く思った。



明日からの楽しみがある。それだけで毎日頑張れる気がする。



《Luca side end》

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