第25話

自分の病室で彼女が来るのをずっと待った。眠ることもせずに彼女がもう一度僕と同じ部屋に来るのを待った。



何時間、何日待っても彼女はここには戻ってこなかった。



数ヶ月後、僕は退院することになった。長かった入院生活が終わったのは嬉しかった。



ただ彼女が倒れてからの記憶は曖昧で、どうやって過ごしたのかも覚えてない。彼女は今どこにいるのか、もしかしたらもう居ないのか。最悪な憶測ばかり頭に浮かんでは消えていく。



看護師さんに聞いても上手くはぐらかされるだけで何も知らないまま僕は彼女と過ごした病室を後にした。



"彼女が倒れたのは僕のせいだ"



と言っても誰も僕を責めなかった。



"あなたのせいじゃない"



何回言われたか分からない言葉。そんなはずない、あれは僕のせいだ。僕が彼女に無理をさせなければ、彼女の体調のことを忘れなければ、そんな後悔ばかりが押し寄せてくる。

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