5日目

第14話

昨日"雨"が降っていると姿を現すと知った。僕の前に現れた理由は分からなかった。その理由を知る日は早くて、僕の予想とは全く違った。



「ねぇ、どうして僕だったの?」



僕の方を見向きもせず歌い続ける彼女に問う。雨の日に現れるなら僕じゃなくてもよかったはず。



僕の問いに反応を示さないまま彼女は歌い続ける。僕の知らない歌。僕だけかもしれないけど、彼女の歌には、声には何か惹かれるものがある。



反応がないことに諦め彼女の歌を聴いていた時、歌詞の一部が頭に入ってきた。



とても美しく儚い詩。彼女の心からの気持ちだと分かる詩。

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