3日目
第7話
彼女がいるなら歌えるだろうか、あの頃のように…。
いや無理だな、僕は歌えない。彼女がここにいてもいなくても、僕の前に今彼女がいたとしても。僕の歌は、声は、止まったままだから。
雨の中美しい声を響かせて歌う彼女を見ながら思う。
"そんなにずっと歌ってて飽きないの?"
そんな疑問が浮かんだ。彼女は僕の疑問が聞こえたかのように歌うのをやめ振り返る。
そして笑うのだ。酷く美しい笑みを僕に向ける。話すことはない彼女の言葉として笑顔を。
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