第61話
そこからたくさん話した。自分のこと、清水哲郎のこと、1ヶ月のこと。凪はずっと聞いてくれた。
「でね、凪。俺凪のことが好き。でも付き合ってとは言えない。俺はもう父さんの跡を継ぐって決めたから、その道に凪は巻き込めない」
「え、は?!今なんて言ったの?!」
「え、俺は凪が好きって言った。応えはいらないよ」
伝えたいことも伝えれたから帰ろうと凪に手を差し出す。しかし俺の手に凪の手が重なることはなく、伸ばされた凪の両手が俺の頬に重なった。
ばちん、と痛そうな音が響いた。突然の痛みに目を開いたらぎょっとした。
凪が泣いてたから。瞳からぽろぽろと大きな雫を落としながら泣いてたから。
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