第51話
部屋に入ったら終わり。それなら今逃げ出そう。今はホテルの駐車場。逃げるなら今しかない。
助手席のドアを開けてら清水さんの表情をちらっと見る。いける、大丈夫。
勢いをつけて走り出した。逃げるつもりで来てたから靴は走りやすいもの。
私が走り出したことに気がついて清水さんは追ってくる。いくら走りやすい靴と言っても限界はある。男と女。大人と子ども。
私の逃走も虚しく手首を掴まれた。結構強い力で掴まれたから思わず声が漏れた。
「…っ痛、い!」
「なぜ逃げるんだ?」
「そんなのあんたが嫌だからに決まってる!」
初めて抵抗した。初めてタメ口を使った。それだけでも緊張と恐怖はあって涙が出そうになった。
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