感情

第46話

この1ヶ月父さんから貰えるもの全て貰った。凪を助けるための力も手に入れた。ぎりぎりになってしまったけど今日がタイムリミット最終日。



悔しいけど父さんに協力してもらった。俺一人の力じゃ凪の居場所を突き止めることも出来ない。



助けるための手札は揃った。後は俺次第。今の俺じゃ清水さんに勝てない。卑怯だと思うけど父さんに清水さんのことはお願いした。子どもの俺が口を出したって何もならないから。



「律、分かってるな?お前のやることは彼女をあの場所から連れ出すこと。後は私に任せろ」



「ありがとう父さん。こんな息子でごめん。頼りたいときだけ頼って、でもこれからはちゃんと家のことも考えてくから。いつか俺が父さんの後を継ぐから」



そう言うと父さんは笑って俺の頭を撫でた。それがちょっと嬉しかったのは絶対教えてやんない。



「ほら行くぞ。そろそろ時間だ」



「おう!」

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