第44話

「律、私はお前を認めてる。私の跡を継ぐのもお前だと思っている」



「え?」



「全てをやると言っているんだ。大切な子を助けると言ったな。詳しい話を聞かせろ。私が事情を把握しなければ何も出来ないだろう」



そうだ。俺に全てをくれても今の俺には何も出来ない。まだ父さんの力が必要なんだ。元々俺1人の力で凪を助けれるなら嬉しい。でも出来ないから頼った。頼らなければならないことが悔しい。それでも凪を助けれるならなんてことない。



ここから逃げ出して起こったことを全て話した。凪を助けた時に殴ったこと、凪の家に住まわせてもらってたこと、芽生えた感情のこと、清水さんのこと、期限は1ヶ月ということ。



父さんは真剣に聞いてくれた。きっと色々考えてるんだ。期限1ヶ月。この1ヶ月で俺にはやらなくてはならないことが沢山ある。それを手に入れなきゃ凪を助けられない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る