第38話

「…楽しかったか?」



「…え?あ、はい」



「そうか、なら良かったな」



てっきり俺はこの場所から逃げたことに対して何か言われると思っていた。父さんの跡取りは俺しかいないから、俺がいなくなったら困ると思うから。



「まぁ座れ。少し話そう」



父さんに言われるがままソファに座る。この空気の中どうやって切り出そうか迷っていると先に口を開いたのは父さんだった。



「律、ここに戻ってきたってことは何かやらないといけないことがあるのか?」



「…!あります。俺がやらなくてはならないことが」



「ほう。言ってみろ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る