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そう考えたら、いても経ってもいられなくて、携帯電話片手に部屋を飛び出した。
二十歳だなんて、待ってられない。
結婚なんてしてたら、それこそもう手遅れ。
ずっとずっと待ってたんだ。
ずっとずっと我慢してきたんだ。
離れていた時間は、冷めるどころか、想いは募るばかり。
もうそろそろ限界。
だから、もういいでしょ?
『美波、会いたい』
君に会えると思うと嬉しくて、
だけど、ガラにもなく心臓が飛び出るんじゃないかってくらい緊張してて、
‘もしかしたら’を考えると息が吸えなくなるくらい苦しくなる。
君のことを想うと、余裕なんてこれっぽちもなくて、
そんな俺はやっぱりいつまで経ってもガキかもしれない。
だけど、それでも好きなんだ。
その気持ちに偽りはなくて、
本気で本気で好きなんだ。
あの頃と変わらない想い。
あの頃よりも大きく強くなった想い。
今度こそ、君に伝わるだろうか?
「美波!!」
やっと君に会えた。
やっと君に伝えられる。
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