第30話

恥ずかしくて、必死に裾を引っ張って隠そうとするけど神代くんはパーカーの裾を持ち上げてあたしの足の間に顔を埋めた。



未だにその行為は恥ずかしくて、気持ちよすぎて怖くて涙がとめどなく溢れてくる。






泣きながら必死に神代くんの名前を呼ぶ。





「やぁ…っ、かみ、しろく…んっ」






神代くんは泣いてるあたしを抱き上げて抱きしめる。






「こわくないから大丈夫。ほら、下着を履きな」





そう言いながらあたしの下着をいつの間にかベッドから探し出し、渡す。



コクっと首を縦に振り、床に降りて下着を履く。





すると神代くんに手を惹かれ、キッチンへとつれてかれる。






神代くんは冷蔵庫からミネラルウォーターを2本取り出してリビングのソファに座りあたしを膝の上にのせる。




「ほら、水」




そう言ってキャップを半分だけ開けて渡してくれる。




「…ありがとう」



神代くんからミネラルウォーターを受け取って喉に流し込む。




静かな部屋で無言のまま神代くんの膝に座って大人しくするけど、足が少し寒くてさすって温めてると神代くんは、あたしの足をもう片方の膝の上に載せてソファにかけてあったブランケットをあたしの足の上にかける。




「寒いなら寒いって言えばいいのに」





「うん…ありがとう」




お礼を言い、神代くんの胸に体をあずける。





「はぁ…飯作ってやるから、ちょっとここにいろよ」



そう言って、あたしをソファに下ろして立ち上がる。





「あたし作ろうか…?」




そう聞いても、いい、と言われたので静かにソファで座って待っている。

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