第29話
「まぁ、そんなに嫌なら送ってくけど」
そう言い、あたしの頬から離そうとする神代くんの手を掴む。
「やだ……」
駄々をこねる子供のように言うあたしを神代くんはシーツごと抱き上げる。
そして、顎を上に持ち上げまた苦しいくらい甘いキスをした。
「…んっ…、っ、ぁっん、…っ」
唇が離された頃にはまたくたくたになって神代くんに体重を預けていた。
「沙桐今日帰らせないから」
「…でも、」
「帰るって言っても無理だからね、わかった?」
瞼に口づけられれば首を縦に振るしかなかった。
「いいこ。じゃあ、飯食うか」
あたしを抱いたまま立ち上がった神代くんはあたしをゆっくりと床に下ろして立たせる。
そして、奥のクローゼットの中から神代くんが着ても大きそうなパーカーを1枚ひっぱり出して、巻きつけていたシーツをとりあたしに着させる。
「神代くん…これおっきい」
手を持ち上げて袖を神代くんに見せるとあたしの袖を折る。
「お前ちびだから俺のスエット履けねえじゃん。それにお前今下何も履いてないの忘れてんの?」
そう言われ、「あっ…」と顔が熱くなるのがわかった。
「…あ、たしの、下着どこ…?」
「ベッド」
その言葉を聞いてすぐにベッドの中を探す。
「あれ、ない…どこ……ひゃぁ…っ!」
急に腰を引かれる。
「お前さ…まじで誘ってんの?」
「え…っ?なに、が…?」
「何も履いてないってこと分かってんなら下を隠す努力しろよ」
そう言われてまた、自分が下着を探すのに夢中になっていた事に気がついてパーカーの裾を片手で下に引っ張る。
「もう無駄。飯後な」
そう言った神代くんはあたしを引っ張ってベッドに倒す。
そしてあたしの足を持ち上げて開かせる。
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