天川裕司

タイトル:窓


私は1人書斎で本を読んでいる。

最近、ずっと部屋にこもっていたから

ストレスもそれなりに溜まっていたのか、

神経が少し過敏になっていたようで、

誰かの視線を感じるような気がしていた。


このストレスの原因はストーカー?

私の部屋の前の道路に、

決まって同じ人が現れていた。


毎日と言うわけじゃないけど、時々現れる。

部屋の窓からこっそり

その男を見ていたこともあったが、

ずっと私の部屋の方を見上げて立っていた。


「何よあの人、気持ち悪い…」

そろそろ本気で警察に電話しようと思っていたのだ。


でも1つだけ不思議だったのは、

彼がそうして立っている時、

その前や後ろを通行人や自転車が通って行くのだが、

誰も彼の方に見向きもしなかったこと。


ただぼーっと道端に突っ立ってる人なんか見れば

「何してんだろ?」ぐらいの気持ちで

その人の方を一瞥ぐらいしても良いもの。

でも本当にその人の方を誰も見ないのだ。


そこに少しだけ奇妙を感じていたが、

現実にストーカーされているのは間違いないこと。

だから私は警察に思いきって通報してみた。


警察「分かりました、すぐに行きますので」

その声に少し安心した私は、

もう見納めになるだろうとまた窓の所へ行き、

カーテンをほんの少し開けて道路を覗いた。


やっぱりさっきからずっとあの男が立っている。

「フフ、そうやって立ってなさいよ。もうすぐ警察が来てあなた捕まるんだから」


そう思うと勇気が少し湧いてきて、

自分の日常を取り戻すため、

窓をガラッと開けてやった。

文句のひとつでも言ってやろうと思ったのだ。


でも窓を開けた瞬間、あの男は消えていた。

「……………」

本当の恐怖を見つけた私は、

また窓をゆっくり閉め始める…

窓を閉めてゆくと、また男が現れた。

どうやら窓に棲み着いた霊だったらしい。


「警察に電話しなきゃ…!」

でもどう言えば…


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=c7jLy3rH838

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天川裕司 @tenkawayuji

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