第11話 科学の実験
翌朝、化学の授業が始まった。
化学の授業が行われる教室は、広々とした空間で、壁にはさまざまな実験器具が整然と並んでいた。試験管やフラスコが光を反射し、まるで美しいオブジェのように輝いている。
そんな中でも、教室の中心で特に目を引くのはルナ、モカ、アロマのグループだった。彼女たちが集まるだけで、自然と生徒たちの注目を集めていた。
ルナは冷静で理知的な性格を持つ月の女神で、化学に関する知識も豊富だ。彼女は正確に手順を把握し、的確に指示を出している。
「まず、この試薬を注いで、次に温度を調整して。モカ、アロマ、分かってる?」
ルナは金髪を束ね、紫色の瞳をフラスコに向けた。白衣は身体にピッタリとフィットし、形の良い尻の形がくっきりと見える。
「おい、なんだ、あのグループ…たまんねぇな」
「女神と姫の集まりかよ…」
その横にいるのが愛の女神であるモカである。彼女は愛の女神の生まれ変わりだ。オレンジ色の長い巻き髪に深緑の大きな瞳、艶やかなリップで口角が上がっている。
華やかで明るいオーラを放ち、輝く笑顔を絶やさない、周囲を明るくする存在だ。しかし、科学の実験には全く興味がない様子。
「この薬品、ピンク色〜!可愛い〜!ねぇ、混ぜたら別の色になるのかなぁ?」
そのるんるんとはしゃぐ動きに合わせてふよふよと豊満な胸が揺れる。
「モカ、混ぜたらダメよ。これはこうやって使うのよ」
ルナ熱心に教えていたが、モカはその説明を半分しか聞かず、気が散ってしまっていた。
「ルナ、これってどうしてこんなに複雑なの?本当にこれを全部覚えなきゃいけないの?」
「モカったら。これを理解することが実験成功の鍵なのよ。」
実験が進む中、ルナが慎重に作業を進めていたとき、モカがうっかり薬品をこぼしそうになるハプニングが発生。
「ひゃあっ」
モカの豊かな胸が、上へと弾むように揺れる。
モカがこぼしそうになった瞬間、ルナは瞬時に手を伸ばし、冷や汗をかきながら『危なかった…』と小さくつぶやいた。
「モカ、ちょっと気をつけて。薬品は扱いが難しいから、もっと慎重に」
「ごめんね、ルナ。科学は本当に苦手で…あはは…」
「大丈夫、次はもっと注意して。これが実験の大事な部分だから」
一方でアロマは試験管を持ちながらシンヤのことを考え、手が震えていた。
「アロマ、次の手順をお願い」
「うん、今やるね!」
「ちゃんと集中するのよ。この実験は正確さが重要なの」
「ええ。分かったわ。しっかりしないとね」
「アロマ、試験管をしっかり持って、液体が漏れないようにね」
アロマは気持ちを切り替える。冷や汗をかきながら慣れないことに真剣に取り組んでいた。
周囲の生徒たちは、華やかな三人が一緒にいることで、自然と注目の的になっていたが、その一方で、彼女たちの個々の得意不得意が明確に浮き彫りになっていた。
一方シンヤ達は…
化学の授業が進む中、シンヤとユージーンがペアで実験に取り組んでいた。
教室の片隅でシンヤとユージーンがペアになり、化学実験に取り組んでいた。シンヤは科学が得意で、自信満々に実験を進めている。
彼の手元は安定しており、器具を使いこなしている様子が見て取れる。一方、ユージーンは少し緊張気味で、時折手元が不安定だった。
「ユージーン、試薬を少しずつ注いで、温度を調整してくれ」
シンヤの動きは終始無駄がなく、落ち着いている。その姿に、ユージーンは少しずつ緊張を和らげていった。シンヤのそばにいると、どんな困難な作業でもできそうな気がしてくる。
教室内が少しざわついている中、シンヤたちは静かに、そして着実に実験を進めていった。
「こ、これでいいかな?」
その時、液体が予期しない反応を示し、試験管の中で泡立ち始めた。シンヤは即座にフォローに回る。
「ユージーン、もう一度手順を確認しろ。これ、違う試薬を使ってるかもしれない」
「ええっ、本当かい?」
「ああ。でも大丈夫だ。今度は俺がちゃんと見てるから、またやり直そう」
その時、ジャックがすかさず声をかける。
「我、この方法を勧める。この反応には、このプロセスが有効。試すと良い」
ジャックの提案を受け入れたシンヤとユージーンは、ジャックの指導のもとで実験を再開。
手順を修正しながら進めると、やがて実験は成功し、反応が安定した。
「ジャック、本当に助かったよ!ありがとう!」
「助かったよ、ジャック。お前の知識には感心した」
その後、モモも実験に苦戦している様子が見受けられる。手つきがとても危なっかしい。シンヤが少し呆れ気味に声をかける。
「お、おい。モモ、大丈夫か?」
「モモ、そんな所も可愛い。我の国科学発展してる。我に任せよ」
そう言うと、鋭い爪でちょこんとフラスコを持ち上げ液体の温度調整を進める。
「わっ、ジャック!ま、まぁ、ありがと…」
「我は仲間を助けるのが好きだ」
モモに感謝されると、鋭い牙を見せながら、ニンマリと微笑むジャックだった。
「ジャック、本当に頼りになるね!」
「科学は我の得意分野だからな。いつでも助けるぞ」
「まあ、今度は俺たちが何かで、お前を助けてやるよ」
「こうやってみんなで力を合わせるのもいいかもなのだ」
シンヤは内心同意する。今までは1人で奮闘してきたが、こうやって得意不得意があるのを補い合うのも悪くないと感じるのだった。
ドッカーーン!!
そこに爆発が起きる。
ドラゴン族のフレアと、妖精キャナリーのグループだ。
フレアの際どい衣装は焦げてほとんど焼け落ち、彼女はほぼ全裸のまま堂々と仁王立ちしていた。
「げほっげほっ」
「もーー!フレアったら!いきなり試験管を燃やすことないじゃない!」
金髪のお団子ヘアに、小柄で童顔のキャナリーが、トンボのような羽をパタつかせながら、爆発で破れた服を抑えながら出てきた。
小ぶりながらも張りのある胸が露わになり、キャナリーは必死にパンティを隠そうとしながら、床に座り込んでいた。
「もーーー!!フレアーー!!」
「アンタだって化学は苦手でしょーよ!」
ほぼ裸の状態の少女たちが、人目を気にすることなく、キャーキャーと騒ぎながら争い始めた。
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