4

「オマエ、性格まで変わってないなっ!?」

「さて。何の事やら」


素知らぬ振りで告げる男に女がすぐさま立ち上がると、男に食って掛かる。


「ふざけんな!あの時からずっと捻くれた根性しやがって!!」

「なんだと……?」

「そうだろ!いつも私利私欲の為にアタシの家族や仲間を手に掛けてきたじゃないか!!」


女の言動に男は眉を潜めて口を開く。


「それは─────」


男が反論を告げる前に、群がっていた女性達が女の前へと立ちはだかった。


「あなたさっきから何を言っているの?」

「変な言いがかりはヤメて頂戴!!」

「高嶺さんが困ってます!」

「えっ、いやあの……」


詰め寄る女性達に女は気をされる。


「そんなに高嶺さんに文句がお有りなら帰って頂いてもよろしいんですよ?」

「いられるのも迷惑ですしね!」

「スタッフさん、この人を追い出して頂戴!!」

「ええっ!?ち、ちょっと待っ……」


反論する間も無く追い出されてしまった女は、泣く泣く婚活会場を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る