2

あれから月日が流れて数百年後の世界にて。


「「あっ」」


幸か不幸か、彼らは再び運命の再開を果たした。


「我が宿敵の……!?」

「最大の巨悪……!!」


『それでは皆様、一対一のフリートークをお楽しみ下さい!』


ある者達にとっては『戦場』と言う名の婚活会場での事。互いにひと目見ただけで思い出した過去の記憶に、魔王と勇者はどちらともなく口を開く。


「貴様ッ、こんな処で何をしている……!?」

「それはこっちのセリフだコノヤロウ!!」

「なんだその生娘みたいな容姿は。私を倒した勇者がなんという醜態……」

「お前なんかに言われたくない!!如何にも高そうなスーツ着てイケメン気取りやがって、そうやってまた人間を誑すつもりなんだろっっ!?」


出会った瞬間にギャアギャアと互いを罵り合う二人に自然と会場にいた人々の視線が向けられた。


「此処で会ったが百年目。あの時の復讐を晴らしてくれる!」

「ふざけるなッ!!もとはといえばお前がアタシの故郷を滅ぼさなければあんな事にはならなかったんだぞっ!?」

「フン。そんなのはお前の都合だろう。村を滅ぼされたとて、復讐しに来た奴なんぞお前以外にはいなかったぞ?」

「だったらアタシの勝手でお前を殺したって文句はない筈だッ!!」

「チッ……小癪な人間め」

「ハン。言ってろ!」


険悪な雰囲気を醸し出す二人に、司会の女性は苦笑しつつも進行を努める。


「えぇ〜〜と……かなり仲良くなられた方々?もおりますね。それでは、気になる方がおられましたらその方へ自己アピールして行って下さ〜い!」


睨み合う二人を余所に自己アピール大会が始まると、元勇者だった女は押し寄せて来た女達によって突き飛ばされた。

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