えっ?上海総合指数 v.s. Me?本当なの!?

蘆薈麗德

第0話 有形の大手

9月30日。上海の早朝、空気中にはほのかな花の香りが漂い、自然と心が明るくなる。ここは上海財経大学、花と緑に彩られたキャンパス。朝陽が校庭に降り注ぎ、学生たちが小道を歩いている。この大学生活こそ、彼らの青春の新たなスタート。


小玉シャオユウ、起きてよ!今日は金融市場入門の大講義があるよ!」


方芳ファンファンは既にベッドから飛び起き、興奮した顔で私のベッドを激しく叩いていた。


「あと五分だけ…」布団の中から呟く声、枕元のスマホに薄目を向けると、画面には昨夜見た株式市場のニュースがまだ表示されている。


透き通るような白いカーテン越しに陽光が寝室に降り注ぎ、部屋は金色の光で染められていた。

目を開けると、ベッドサイドのスマホが目に入る。心が急に引き締まる。


「12.81%! 上証指数が16年ぶりに最大の週上昇率を記録」と、これが昨夜見た最後のニュース。(上証指数、つまり上海総合指数。)


朝食時の食堂、学生たちは数人ずつテーブルに集まり、課題や将来について熱く議論している。方芳と一緒にテーブルに座り、牛乳とパンを食べながら話していた。経済学院の学生で、全国から集まった経済と金融に興味を持つ若者たちと一緒に学んでいる。


「本当にあの投資シミュレーション大会に参加するつもり?」方芳は興味津々と尋ねた。


「うん、今夜から準備を始めるよ。」目には決意の光が宿っている。経済と金融に対する情熱は、最近の市場の動きを前にさらに燃え上がっていた。


「でも、実際の株式市場に入るのはリスクが高いんじゃない?これはA株だもの。」


(A株は、中国本土のみの国内投資家向けの中国企業株のことです。A株市場は、中国ネット民に「韭菜地」「株市割韭菜」とも呼ばれる。韭菜のように何度も新しい投資者が入っては「刈られる」状況が続くからだ。多くの新規投資者が市場に参入するが、経験不足や情報の非対称性、市場操作などで頻繁に損失を被る。)


笑いながら首を軽く振った。

「誰にも分からないよ。もしかしたら、これが自分を証明する唯一のチャンスかもしれない……」


朝の9時、経済学院の「大階段教室」はまばらな学生たちが座っていた。教授の影が電子スクリーンに映し出され、今日の講義――「金融市場の基礎とリスク管理」の内容を明確に説明している。


「意思決定の過程で、政策と市場の感情を理解することは極めて重要です。最近、中国は一連の好影響を与える政策を継続的に打ち出しており、例えば金融政策の緩和や不動産政策の調整などがあります。これらは市場の信頼を大いに高めています。」教授の声は深く、力強い。一言一句を逃さずノートに記していた。


窓際の席に座り、ノートは既にびっしりと書き込まれている。目は真剣に教授の説明を追い、時折スマホで株式市場の情報も確認していた。周りの同級生たちのささやき声と教授の講義が織り交ざり、奇妙な雰囲気を醸し出している。


「ゴールデンウィークはどこ行くの?」

「実家に帰って休みつつ、友達と海を見に行く予定。」

「いいなあ、私は短期旅行に行くつもり、友達と一緒にハイキングするの。」


教室にはリラックスと期待感が漂っていたが、心は株式市場の動きに縛られていた。深呼吸し、ペンを一瞬止めた後、再び速記し始める。


授業が終わった後、李俊りーじゅん先輩がこちらに歩み寄り、微笑みながら声をかけた。「小玉、今日の講義、どう思った?」


「教授の話はすごく納得できます。政策が市場に与える影響は大きいですね。最近の株式市場を見れば分かる通り、預金準備率の引き下げや金融支援策の発表後、投資家の信頼が急上昇しています。」李俊は頷き、少しの賞賛を目に浮かべた。「でも、実際の投資となると、慎重に行動することが大切だ。」


夜、上海財経大学の図書館はまだ灯りが消えていない。隅の自習室に座り、証券取引に関する本を手に取る。イヤホンからは静かな音楽が流れている。


「何があっても、このチャンスを逃すわけにはいかない。」

そっと呟き、未来への渇望と市場への挑戦で心が燃えていた。

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