満腹で 午後の光を 浴びながら 眠けと闘う 5限の数学

昼休みが終わり、お腹はいっぱい。


カーテンを閉めた窓からこぼれる光が、窓際の席の私に穏やかに降りそそぐ。


「えー、ベクトルの……、内積で……」


先生の声が遠い。


起きてノートを取らないと。


そうは思うけど、まぶたはだんだん閉じていく。


……いや、ダメダメ。


数学で寝たら、わからなくなっちゃう。


私は精神力でまぶたを開けて、ほとんどミミズな文字でノートを取った。

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短歌の秋『光』 投稿作品 こむぎこちゃん @flower79

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