第17話

そんな馬鹿みたいな営業迷惑行為をしている合間に、居酒屋内の空気が変わる。アルコールとタバコ臭さをかき消すため、リセッシュ3本を使い果たしたようなそんな感じ。



おじさんたちのざわめきが消えて、何事かと振り返った。




「香椎!お久〜!」 


「おうともー!オーストラリアから帰還?」


「一時帰国ね。また来週には行くし。」



なんだ……この、爆イケ……!



芸能人かってくらいのオーラで、庶民的すぎる居酒屋を制圧している。おじさんたちがその男に唖然と見惚れる。おい、元モデルの私の存在皆無か。



芸能界でも早々お目にかかれないんじゃないか。それくらいとんでもないオーラを抱えたイケメンが入ってきた。 



スーツのシャツがまた紺色で、珍しい青シャツなのに、アンミカの関西弁くらい違和感なく似合っている。



うん、でもごめん。叶恵のイケメン階層では実来心晴のが上。


       

「ああ、コイツね、俺が大昔ヤンチャしてた時のダチ。」


「どうもぉスレンダーラインなお嬢さん!朋くんでーす。」


朋政ともまさね、央海倉庫おうみそうこのオーストラリア駐在員やってんだわ。」 

 

「コアラは皆僕のファミリー!っと、僕にカルーア抹茶ブリュレミルク下さーい!」


「この店にそんなキワモノねーわアホ。生か水にしとけ。」 



そう言って香椎の隣に座る朋くんというアッシュブロンドのイケメンは、どうやら頭の中身が残念系らしい。香椎といい勝負だ。

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