第15話
みちると香椎の友人関係は繋がっていたようで、香椎から中古車ディーラーの営業事務の離職が激しいから、誰か忍耐力のあるやつはいないかと相談されていたらしい。
みちるを介してMURANOに応募すれば、一般教養などすっ飛ばして2回の面接で内定を貰った。
当時、香椎はメーカーであるムラノ自動車本社勤務だったのだが、なぜか同じ地方ディーラーに出向してきたのが1年前。
MURANOはムラノ自動車の連結子会社になるのだが、親会社のメーカーから子会社のディーラーに出向なんてのは珍しくない話だ。
ただ香椎のように年齢がいったメーカー本社勤務の社員を、今さらディーラーで個人相手の販売研修だなんてのは、かなり珍しいと思う。
左遷?降格?はは、なにやらかしたかは知らんけど、さすが香椎じゃん。
「香椎もついに結婚かあ。」
「大事な取引先の娘だからね。政略結婚ってやつだわ。」
「TLっぽいじゃん。そこに愛はあるのか?ってね。」
「相手清楚系の天使ちゃんだから愛しかないわ。」
「チャラくても香椎って人情深いから意外と結婚には向いてそう。」
「ヤクザかよ。背中に入れ墨掘るならお前の変顔入れてやる。」
「はは。いい魔除けになりそう。」
香椎は来年結婚することが決まっている。
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