第10話

「ならば。次もこの“使い古し”をえろくしましょう。」



私のスカートから覗く膝に、人差し指と中指の二本が這う。私を酷使していた彼の指に、中核を突かれているようなめまいを覚えかける。



意識は、爪先をピンと張り維持させる。彼に堕落してはいけないと。 



「中古車部の中古だと、口惜しみのアイロニー皮肉ですか。」  


「口惜しみ?」


「高校時代の彼女との仲を破滅させたこと、そこまで恨んでるんですか。」


「はい。中古車部の中古さん。」



辛辣な言葉をかけられ身体を熱くする私は、新たな性癖に目覚めそうで泣きたくなる。使い古しを有効活用してくれてありがとう。とは思うだけで言いはしない。


 

「ではまた。次の試合でお会いしましょう。」




アデュー。



ってもういいでしょ。7戦目は牛乳早呑み対決かスプラトゥーン対決にしてみよっか?



WBCの大谷と村上があらゆる広告に起用されているが、近藤の存在を忘れてはならない。裏方のヒーローはいつか、彼の復讐心を大きく打ち返せる日はくるのだろうか。

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