エイリアンなクラスメイト4人と一緒に異世界に転生したので「エイリアンテイマー」として生きていくことにします
めで汰
1~11 転移編
第1話 クラスメイトはエイリアン
書き溜め43話11万字あります。
初日4話投稿、2日目以降は14話まで毎日2話ずつ更新します。
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俺、
趣味は、名前の通り空──星を見ること。
悩みは──それ以外のことに興味を持てないこと。
勉強、運動、友達。どれにも興味ない。
星を見ることだけが好き。
けどマニアみたいな専門知識はない。
ただ、眺めることが好きなだけ。
悪い? 別にいいでしょ、好きなんだから。
で、それ以外のことは適当。
学校もあまり行かなくなった。
出席日数ギリギリでクリアー。
そんな生活を送っていた。
変わり者な俺に愛想を尽かした親も、やがてうるさくは言わくなっていった。
最低限の人間ノルマをこなす。
最低限の出席日数。
最低限のテストの点数。
最低限の進級、進学。
そんな最低限をコスパよく消化してる俺が、明日久々に登校する。
なぜ、明日なのか。
それは……明日は文化祭の準備のみで授業がないからだ!
うん、だからサッと行ってサッと帰れるはず。
もしすでに準備が終わってたら秒で帰れる可能性も! だとしたら熱い!
正直、学校なんて長い時間居たくない。
ってことで、日課の天体観測をしてから寝た。
俺だけが見つけている名も無い星(「
【翌日】
学校に行ってみると誰もいなかった。
いや、正確には3人いた。
誰もいないと感じたのは、その3人が教室の隅っこ三方向、それぞれバラバラに座っていたからだ。
「キィィィン────」
むっ、耳鳴りの気配。
けど、俺は気にせず教壇前にまで進む。
だって、久々登校の俺がここでキョドったらさ、不審感がにじみ出て、それこそ居場所がなくなちゃうから。
半不登校児は半不登校児なりに、気まずさなんかはなるべく減らしたい。
「あれ? もう準備終わった系?」
ってことで、さり気なさMAXで3人に声を掛けてみる。
すると3人が──。
ガタッ!
っと、急に立ち上がった。
「うおっ、何っ!?」
思わずのけぞる。
3人が俺に向かってズンズンと進んでくる。
それも、ものすごいスピードで。
「え!? なになにっ!?」
突然のことに思考回路はショート寸前。
周りがぜ~んぶスローモーションに見える。
でさ、スローモーション中ってさ……結構、ヒマを持て余す。
うん、だから向かってきてる3人を改めて確認でもしてみよう。
まず1人目。
『
黒髪ロング。
常に前髪が完璧なカールを描いている。
お嬢様系超絶美少女。
美少女なんだけど……なんだかとっつきにくい。
なので、誰もが自然と入江とは距離を置いている。
入江は星に詳しく、2年生なのに天文部の部長を務めている。
そして、どこからか俺が星が好きだと聞いたみたいで、しつこく俺に天文部への加入を勧めてくるんだ。
もちろん拒否。
部活だなんて面倒。
星は一人で見るに限る。
断るたびに入江は絶望に満ちた顔を向けてくる。
俺はそれを見て、毎回「大げさだなぁ」と思ってる。
そんな彼女が、ツカツカと向かってくる。
次に2人目。
『
黒ギャル。
背が高い。
デコ出し、ミニスカ。
大股開いて座る、ギャハハ笑い。
いかにも粗雑な感じ。
クラスでは浮いている。
なぜかこいつもやたら話しかけてくる。
「同じ帰宅部だし、放課後どこどこ(喫茶店とかゲーセンとか)行かね?」って遊びに誘われる。
が、その誘いに乗ったことはない。
絶対カツアゲとか美人局に遭う。
ガラ悪いから、マジで。怖い。
だからずっと断わってる。
そんな彼女が、ズンズンと向かってくる。
そして3人目。
『
2年生にして化学部部長。
クール系美少女。
高身長。
切れ長の目からはクールさがバキバキに伝わってくる。
見つめられるだけでちょっと背筋が凍る。
美少女、というよりも美女寄り。
そして……彼女も、どういうわけだか俺にやたらと話しかけてくるんだ。
「健康はどうだ?」とか「なにか異変はないか?」とか。
なにか実験動物目線で見られてる感じ。不穏。
なので、話しかけられても毎回言葉を濁しながら逃げてる。
そんな彼女が、スタスタと向かってくる。
これが俺へと向かってきてるクセモノ3人。
クセモノだけど、美少女。
そんな3人が、早足で向かってきてる。
不意にスローモーション状態が解ける。
一気に距離が詰まる。
「えっ!? ええっ!? だからなにっ!? なになになにっ!?」
テンパる。
美少女たちの意味不明な急接近。
急接近と言うか、もはや「犯人確保!」な勢い。
少しでも接触のタイミングを遅らせよう。
そんな儚い努力を試み、後ろにのけぞる。
ドンッ──!
背中が教壇にぶつかる。
あうっ。
逃げ場なし。
迫ってくる3人。
スカートの裾から覗く生足チラリ。ごくり。
不謹慎なつばが喉に落ちきる前に、3人が口を開いた。
入江(お嬢様)。
「高次元展開に関する異変を感知。特異点【
是野(黒ギャル)。
「捕食ターゲット【
聖(クール系)。
「観測対象【
はぁ? 何言ってんだこいつら?
いや、でもこいつらの表情、鬼気迫ってて冗談とも思えない。
って、え……あれ……?
ぐんにゃり。
視界がゆがむ。
なんか3人の姿が変形していく。
形の崩れた3人が、俺に抱きついてくる。
視界が塞がれる。
顔が、誰かの胸に埋まる。
感触は「服」。
胸元のリボンのシルクが頬を撫でる。
誰かの体が押し付けられてる。
ひんやり……冷たい……?
そう思った瞬間、あたりが光に包まれた。
しばらく目を閉じていると、光が収まってきた。
さてと。
俺は、抱きついてきてた3人を振り払う。
だってこのままだと痴漢扱いとかされかねん。
と、振り払った俺の目には──。
「どうやら危機は乗り越えたみてぇだな」
「観測対象と共に次元跳躍に成功。現次元の調査へと移る」
「アマツキくん、大丈夫ですか!?」
3体の──。
エ イ リ ア ン
の姿が、映っていた。
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読んでいただいてありがとうございました!
「一体どんなタイプのエイリアン×3なんだい!」と思われた方は、『♡』『コメント』『作品フォロー』して次の話に進んでください!
書き溜めバッチリあります! よろしくお願いします!
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