エイリアンなクラスメイト4人と一緒に異世界に転生したので「エイリアンテイマー」として生きていくことにします

めで汰

1~11 転移編

第1話 クラスメイトはエイリアン

 書き溜め43話11万字あります。

 初日4話投稿、2日目以降は14話まで毎日2話ずつ更新します。


────────────



 俺、天月空あまつきそら16歳。

 趣味は、名前の通り空──星を見ること。

 悩みは──それ以外のことに興味を持てないこと。


 勉強、運動、友達。どれにも興味ない。

 星を見ることだけが好き。

 けどマニアみたいな専門知識はない。

 ただ、眺めることが好きなだけ。

 悪い? 別にいいでしょ、好きなんだから。

 で、それ以外のことは適当。

 学校もあまり行かなくなった。

 出席日数ギリギリでクリアー。

 そんな生活を送っていた。

 変わり者な俺に愛想を尽かした親も、やがてうるさくは言わくなっていった。


 最低限の人間ノルマをこなす。

 最低限の出席日数。

 最低限のテストの点数。

 最低限の進級、進学。

 そんな最低限をコスパよく消化してる俺が、明日久々に登校する。

 なぜ、明日なのか。

 それは……明日は文化祭の準備のみで授業がないからだ!

 うん、だからサッと行ってサッと帰れるはず。

 もしすでに準備が終わってたら秒で帰れる可能性も! だとしたら熱い!

 正直、学校なんて長い時間居たくない。


 ってことで、日課の天体観測をしてから寝た。

 俺だけが見つけている名も無い星(「DX39Nでぃーえっくすさっくん」と勝手に名付けてる)が、キランっ☆ と光った気がした。




 【翌日】


 学校に行ってみると誰もいなかった。

 いや、正確には3人いた。

 誰もいないと感じたのは、その3人が教室の隅っこ三方向、それぞれバラバラに座っていたからだ。


「キィィィン────」


 むっ、耳鳴りの気配。

 けど、俺は気にせず教壇前にまで進む。

 だって、久々登校の俺がここでキョドったらさ、不審感がにじみ出て、それこそ居場所がなくなちゃうから。

 半不登校児は半不登校児なりに、気まずさなんかはなるべく減らしたい。

「あれ? もう準備終わった系?」

 ってことで、さり気なさMAXで3人に声を掛けてみる。

 すると3人が──。


 ガタッ!


 っと、急に立ち上がった。


「うおっ、何っ!?」


 思わずのけぞる。

 3人が俺に向かってズンズンと進んでくる。

 それも、ものすごいスピードで。


「え!? なになにっ!?」


 突然のことに思考回路はショート寸前。

 周りがぜ~んぶスローモーションに見える。

 でさ、スローモーション中ってさ……結構、ヒマを持て余す。

 うん、だから向かってきてる3人を改めて確認でもしてみよう。


 まず1人目。

入江杏いりえあん

 黒髪ロング。

 常に前髪が完璧なカールを描いている。

 お嬢様系超絶美少女。

 美少女なんだけど……なんだかとっつきにくい。

 なので、誰もが自然と入江とは距離を置いている。

 入江は星に詳しく、2年生なのに天文部の部長を務めている。

 そして、どこからか俺が星が好きだと聞いたみたいで、しつこく俺に天文部への加入を勧めてくるんだ。

 もちろん拒否。

 部活だなんて面倒。

 星は一人で見るに限る。

 断るたびに入江は絶望に満ちた顔を向けてくる。

 俺はそれを見て、毎回「大げさだなぁ」と思ってる。

 そんな彼女が、ツカツカと向かってくる。


 次に2人目。

是野茂初布ぜのもうふ

 黒ギャル。

 背が高い。

 デコ出し、ミニスカ。

 大股開いて座る、ギャハハ笑い。

 いかにも粗雑な感じ。

 クラスでは浮いている。

 なぜかこいつもやたら話しかけてくる。

「同じ帰宅部だし、放課後どこどこ(喫茶店とかゲーセンとか)行かね?」って遊びに誘われる。

 が、その誘いに乗ったことはない。

 絶対カツアゲとか美人局に遭う。

 ガラ悪いから、マジで。怖い。

 だからずっと断わってる。

 そんな彼女が、ズンズンと向かってくる。


 そして3人目。

聖麗ひじりれい

 2年生にして化学部部長。

 クール系美少女。

 高身長。

 切れ長の目からはクールさがバキバキに伝わってくる。

 見つめられるだけでちょっと背筋が凍る。

 美少女、というよりも美女寄り。

 そして……彼女も、どういうわけだか俺にやたらと話しかけてくるんだ。

「健康はどうだ?」とか「なにか異変はないか?」とか。

 なにか実験動物目線で見られてる感じ。不穏。

 なので、話しかけられても毎回言葉を濁しながら逃げてる。

 そんな彼女が、スタスタと向かってくる。


 これが俺へと向かってきてるクセモノ3人。

 クセモノだけど、美少女。

 そんな3人が、早足で向かってきてる。

 不意にスローモーション状態が解ける。

 一気に距離が詰まる。


「えっ!? ええっ!? だからなにっ!? なになになにっ!?」


 テンパる。

 美少女たちの意味不明な急接近。

 急接近と言うか、もはや「犯人確保!」な勢い。

 少しでも接触のタイミングを遅らせよう。

 そんな儚い努力を試み、後ろにのけぞる。


 ドンッ──!


 背中が教壇にぶつかる。

 あうっ。

 逃げ場なし。

 迫ってくる3人。

 スカートの裾から覗く生足チラリ。ごくり。

 不謹慎なつばが喉に落ちきる前に、3人が口を開いた。


 入江(お嬢様)。

「高次元展開に関する異変を感知。特異点【希望ホープ】の守護にうつる。【希望ホープ】守護戦艦本部『曲角まがりかど』にアンチ重力波シールドの使用許可を要請」


 是野(黒ギャル)。

「捕食ターゲット【にえ】の消滅を予知! 緊急形態エマージェンスモード甲殻こうかく】に移行するぜ!」


 聖(クール系)。

「観測対象【超壁者トランスセンデンサー】への次元干渉攻撃を感知。これより持てる技術のすべてを用いて次元跳躍ジャンプを行使。これが最後の通信になる可能性大。跳躍後、我々は現次元『陽跡サントレースRBK299168』への帰還を目指す。以降の通信は不要。こちらからの連絡を待て」


 はぁ? 何言ってんだこいつら?

 いや、でもこいつらの表情、鬼気迫ってて冗談とも思えない。

 って、え……あれ……?


 ぐんにゃり。


 視界がゆがむ。

 なんか3人の姿が変形していく。

 形の崩れた3人が、俺に抱きついてくる。

 視界が塞がれる。

 顔が、誰かの胸に埋まる。

 感触は「服」。

 胸元のリボンのシルクが頬を撫でる。

 誰かの体が押し付けられてる。

 ひんやり……冷たい……?

 そう思った瞬間、あたりが光に包まれた。

 しばらく目を閉じていると、光が収まってきた。

 さてと。

 俺は、抱きついてきてた3人を振り払う。

 だってこのままだと痴漢扱いとかされかねん。


 と、振り払った俺の目には──。


「どうやら危機は乗り越えたみてぇだな」

「観測対象と共に次元跳躍に成功。現次元の調査へと移る」

「アマツキくん、大丈夫ですか!?」


 3体の──。



 エ  イ  リ  ア  ン



 の姿が、映っていた。



──────────


 読んでいただいてありがとうございました!

「一体どんなタイプのエイリアン×3なんだい!」と思われた方は、『♡』『コメント』『作品フォロー』して次の話に進んでください!

 書き溜めバッチリあります! よろしくお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る