第5話



 本を読むのは諦めて、私は貸出表を取り出す。


「あ、借りるの? それ」


「はい。ちょっとおもしろそうだったので、借りてみます」


 何気なく読み始めたけど、思ったより読みやすく続きが気になるので借りることにした。


 さすがにこのまま続きは読めそうにないし。

 家でゆっくり読もう。


「……茅野先輩って、最近よく図書室来ますけど、本とかは借りないんですか?」


 ふと、疑問に思ったことを聞いてみる。


 委員会の仕事で、私が放課後図書室に通い始めたのは10月に入ってから。


 それから私が担当の日は必ずと言っていいほどいるけど、本を借りていったことはなかったはず。


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