第7話



 あらかじめ準備してきたということもあり、取材は順調に進んだ。

 安斎とは知らない仲でもないため、とても楽しい取材時間となった。



「──では、これで以上となります。とても楽しい時間になりました。ありがとうございます」


 数十分しか経っていない感覚だったが、時計を見ると1時間以上話していたようだ。


「あら、もういいの? 何か久しぶりに楽しくお話した気がするわ。記事、下山さんが書いてくれるのよね? 楽しみにしてるわ〜」

「頑張りますね。あ、あと最後に、お店の写真を撮っても良いでしょうか? お客さんきても、迷惑にならないようにはしますので」

「いいわよ。私を撮る時は言ってね。お化粧直ししとくから」


 冗談めかして言う安斎に「分かりました」と笑いつつ、カバンの中から小さめのデジカメを取り出す。

 今は携帯でも綺麗な写真は撮れるのだが、学生時代に今の会社の先輩からいただいたものなので、未来は以降ずっとこのデジカメを使用していた。


 どういう風に撮ろうか……なんて考えたところで、写真の腕は素人だから、未来はとりあえず数を撮ることにする。そのうち何枚かが使えればいいだろう。


 少しの間、店内を自由に撮影していると、1組の客が来た。

 未来と同じくらいか少し年上かと思われる綺麗な男性と、まだ中学高校生くらいの少女。


「安斎さん、お久しぶりです」

「あらあら、お久しぶりです。この前はどうもありがとうございました」


 安斎の知り合いなのだろうか、親しげに男性と話している。

 少女の方は、男性の傍から離れ、店内を自由に見回り始めた。


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