第3話 元気でね

その人は帰る前に

「お世話になりました」

と、ひとりひとりに挨拶しましたが、みんなに素っ気なくされたり

「あなた、今のままではいけないと思うよ」

と、きつい言葉を言われたり、つらそうでした。

彼女は私にも挨拶してくれましたが、私にだけは救いの神を見るような眼差しで

「おもながさんのおかげで、この会社で働いた事が、ぎりぎり嫌な思い出にならずに済みます」

と言ってくれました。

「元気でね」

と言って送り出しましたが、みんなの

「早く居なくなれ」

と言わんばかりの雰囲気には、私もつらい思いをしました。

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