第15話 ドレスはさぞ魅力的だったでしょう。

 あなたはお姫様のドレスを選びました。

 豪華な装飾で彩られた美しいドレスが装備されます。

 それはきっと、王族しか着ることのできない一点物の素敵なドレスです。

 今のあなたが街に出れば、誰もが目を奪われるでしょう。


 どうして???


 いえ、わかりますよ。

 あなたはドレスが着てみたかったのですよね。

 性別は存じ上げませんが、誰でもオシャレを楽しむ権利はあります。

 自分の新たな可能性を探求する意味でも、ドレスはさぞ魅力的だったでしょう。


 しかし、今ではありません。

 たしかに、ドレスを着ることができるのは今だけかもしれませんがそうではなくて。

 今はチュートリアルの真っ最中です。

 お姫様気分を味わっている暇h。


 グサッ。


「チュートリアルでの放置行為を確認。処罰します」


 騎士は無慈悲にも、指示に従わないあなたの体を貫きました。

 純白の白はあなたの血で鮮やかな紅に……は染まりません。

 けれど、あなたの視界は黒く染まっていくのでした。


【ゲームオーバー → 第12話へ】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る