【ゲームブック】システムエラーなゲームの世界

第16話 おや、よく知ってるね？

「あれ、文字化けしてないね？」

　あなたは呟きました。

　すると、天から彼の声が降ってきました。

　そう、プロローグの彼です。

「おや、よく知ってるね？　もしかして君、僕のお話を読んでくれたのかな？」

　あなたが黙って聞いていると、天の声は話を続けます。

「さすがにあの文字化けは、進行するうえで深刻だから直してもらったんだ。大変だったみたいだから、もし管理人に出会ったらお礼でも言ってあげてよ」

　とのことなので、あなたは管理人なる人物に密かに感謝の念を伝えるのでした。

「あ、でもさ。チュートリアル中に関係ないことは言わない方がいいよ！　だって……」

　グサッ。

「チュートリアルでの放置行為を確認。処罰します」

　騎士が突き出した剣が、あなたのお腹に刺さります。

「あー……こうなっちゃうから。ごめん、手遅れだったね」

　暗くなっていく視界。

　かすかにまだ声が聞こえました。

「次からは、余計なことはしないで頑張るんだよ！　応援してるから！」

【ゲームオーバー　→　第１２話へ】