第2話 ありがとう!
「ありがとう! 君の勇気に敬意を表するよ」
心からの笑顔を浮かべて喜んでくれました。
「それとも……、断ったら死んだからここを選んだのかな?」
少し顔を曇らせる彼。
しかし、すぐに首を振って話を進めます。
「いや、今のは推測。ただ、この世界はすごく不安定だから選択を一つ間違えるだけで死ぬこともあるんだ。だから、君は一度死んで選び直したのかなって」
「まあ、考えても仕方ない! 僕にはわからないことだし。けど、もしも一度死んでいるのなら話は早い。これから君に説明する手間が省けるからね」
「君は今、僕の能力を一部引き継いでいる。すなわち、何度死んでもやり直せるんだ。それに加えて、記憶も引き継がれ……てるよね? 管理人はそう言ってた。え、管理人って誰かって? ううん、こっちの話だから気にしないで」
「とにかく! 君には、その主人公級の能力でこの世界の謎を解き明かし、僕達を救ってほしいんだ」
「それで、だよ? まずは君にチュートリアルを受けてもらおうと思う。うん、チュートリアルってのは操作確認をするあれだよ。でも、気を付けて。この世界のチュートリアルはちょっと意地悪だから」
最後に、もう一度彼はあなたをじっと見つめます。
そして、柔らかな笑顔を浮かべて頷きました。
「君ならきっと大丈夫。勇者の僕がそう見込んだんだから間違いない。だから、はりきっていってらっしゃーい!」
【プロローグクリア → 第4話へ】
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