日記と隣人
第1話
7月25日(晴)
アスファルトをジリジリと焦がすような太陽の下。まだ涼しいとされる午前中でさえ、気温はすでに30度を超えている。
夏休みを迎えて、それぞれが思い思いの予定に胸を弾ませる中、あたしの予定は塾の夏期講習でビッチリと埋まっていた。
不公平でもそれが受験生としての宿命らしい。
あたし――…
朝比奈夕輝(あさひなゆうき)も例外ではない。
やりかけの問題集もそのままに四畳半ほどの畳に寝そべったあたしは、早朝からけたたましいコーラスを奏でるセミに眉根を寄せる。
頬を撫でるのは色褪せた畳のひんやりとした感触。ごく稀に、窓辺にぶら下げた風鈴の音が本格的な夏の訪れを感じさせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます