第3話

最近はいつもこんな夢のせいで目を覚ます。


過去を思い出すときはいつもこんな感じだった。



身体全体に覚える脱力感。




ボーッとした思考の中、彼に抱かれていた感覚だけが記憶となって残っている。





あたしは小さく息を吐く。


まだまだベッドの中で睡眠を貪っている時間帯。



それでも真夏の夜明けは早く、カーテンにうっすらと浮かび上がる朝焼けから、あたしは逃げるようにして顔を背けた。




身体ごと寝返りを打ち、どことなく覚えた窮屈感に視線を上げる。




そこで初めて、あたしは彼の腕の中へいたことを思い出す。

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