ろく

囚われの君

第7話

ヤンデレ、グロ(?)注意←







「フン♪フ、フフン♪」




僕の手の中にあるものを眺め、小さく鼻歌を歌う


手の中の得物をくるりと回し、それを明かりに透かす


ギラリ と鈍く、凶悪に光る刃


それを見て、今度は笑みが溢れた




「ふふ、一体君は、どんな声で啼いて(泣いて)くれるんだろうね?」




チラリ と君の表情(カオ)を確認すると、強張った顔で小さく息を飲み込んだ君


そんな君に、更に僕の笑みは深まる




「もうっ、そんなカオしないでよ


………もっと “イジメ” ちゃいたくなっちゃうじゃん?」




小首を傾げ、他人(ヒト)にはよく 可愛い と評判の笑顔で言ってみる


すると今までだって、充分に青かった顔を白色に変えた君


そこにだけ地震が来たのかと思わんばかりに震え、首や四肢に着けた首輪と手錠と足枷の鎖がガチャガチャと小さく騒音を奏でる


そんな 可哀想 な君が、とても愛おしい


そんな君に笑いが止まらない僕はクスクスと嗤う




「……大丈夫、多分殺しはしないから


じゃぁ、始めようか?」




にっこりと嗤って僕の右手が振り上げられた


その中には刃渡り約28㎝の包丁


途端に、噎せ返る様な濃い鉄の臭いと


君の悲鳴が部屋一面に充満する




サァ、君ノ総テヲ僕ニチョーダイ?


ソシテ、君デ僕ヲ満タシテ………

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