第36話


 まだ上着がいる時期だが暦の上では春は過ぎ…にしてもこの数ヶ月にぎっしり詰まった感が否めないが、春です。


 ダウンからジャケットに衣替えして、

 そして、

「兄貴ィー!」

「うっさい!お前はなんなんだよ!」

「えへへ!ようやく訓練所から解放エッ!」

「するわけないだろ馬鹿たれ!」

「うそだ!1ヶ月のはず!」

「お前は1ヶ月でものになんなかっただろが!」

「嘘だァァァ!!」

 と、バカが現れる。春です。


 今日は爺さんのスキルボール屋に行く予定でギルドに少し立ち寄ったのは金をおろしに。

 爺さんところは現金しかダメだからなぁ。

「あ、相葉さん、今日はどのようなご用件で?」

「金をおろしにきました」

「あ、現金ですか、いくらおろしますか?」

「んー、1000万でお願いします」

「はい!わかりました」

 とカードを預けて待っていると、

「ユーウー」

 背中にあたる膨らみは、

「杏だな!」

「なんか貶された感があるのは何故かな?」

「ん?」

「なぜかな?」

「いやいや、ってどうしたの?3人か?」

「うん!イロハは少し用事で遅れるって!」

「なぜかな?」

「はい、そこまでにしときなさい」

 と連れてかれる杏。

「で何か用事なの?」

「いや、金をおろしに来ただけだよ」

「今日はダンジョン行かないの?」

 いつもダンジョンに行くわけではないからな。

「今日はスキルボール屋にいってくるかな」

「えー!どこの?」

「爺さんがやってるとこなんだが、こぢんまりとしてるとこだよ」

「行きたい!いいでしょ?」

「んー、まぁいいけど?」

「やったぁ!」

「ん?どこ行くの?」

「スキルボール屋!!」

「行くーー!」

 杏とクリスも行くらしい。


 4人で爺さんところに入ると、

「おぉ。お前か、それに別嬪さんを連れてどうした?」

「いや、スキルボールを見に来たんだ」

「そうかそうか、また増えてのぉ」

「まじかよ、まぁいいか」

「こんにちわ!お爺さん!見せてね?」

「おお、めんこい子じゃの!見てけ見てけ」

とみんなはスキルボールを見てる間に俺は『神眼』でお目当てのボールを探す。

 『裁縫』『火魔法』『家事』『鍛治』『隠伏』『異世界言語』『料理』など、

 欲しかったスキルは『隠伏』『異世界言語』だ。

 さすがに2個はなかったみたいだがあったな!

C『隠伏』…人目を避けて隠れる。

A『異世界言語』…異世界の言語。

「爺さん、この二つをもらうよ、いくらだ?」

「鑑定料だ!持ってけ」

「ハハッ!ありがとさん」

 と他の3人を見てみると、何やら悩んでいる様子。

「どうした?」

「ん?これを買おうか迷ってね」

「ん?『料理』?」

「そう、これで料理が上手になれば良くない?」

「まぁ、そうだな」

「で?クリスもか?」

「肉の焼き加減が良くなるかなぁと」

「あははは!それは別にいいんじゃないか?」

「んもう!!」

「で、あっちは?」

「叶は何見てるの?」

 叶によって行くと『剣術』を見ていた。

「どうしたんだ?剣術は持ってるだろ?」

「うん、二つつけたらどうなるかなーって」

「それにしても高いからね」

「うんうん」

「だよね?やっぱやめた!」

 とすっぱり諦める叶。

「またな爺さん!」

「おう!また来い!」

 ふぅ、剣術の上か。

「悪いけど3人で帰ってくれないか?」

「?いいけどどうかした?」

「もう一度行ってくる」

「お爺さんのとこ?」

「おう!悪いな!」

 と言って走って戻る。


「悪い爺さんちょっとまた見せてくれ!」

「お、おう!いいぞ」

A『聖域』これだな!

「爺さん!これを売ってくれ!」

「Aクラススキルか。100万だな」

「いいのか?1000万は持ってきたぞ?」

「ぬ!そんなに持ってきたのか!じゃあ飲みに行くぞ!」

「あっはっは!いいのかよそれで?」

「100万は置いてけよ?」

「わかったよ!」


 2人で飲み歩いて爺さんは酔って寝たから背負って帰る。

「くかー、くかー」

「ハハッ!爺さんが生きてたら俺もこうやって一緒に飲んだかもな!」

 爺さんの家に布団を敷いて寝かせる。

「じゃーな、またくる」

「おう!また来い」

「起きてたのかよ!じゃーな!」

「おう」

 爺さんのせいで背広が濡れていた。

 まぁ、爺さん孝行ができたかな?


 A『剣術』とA『聖域』を合わせてS『剣聖』にした。

 ステータスも変わり、

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

相葉 優アイバ ユウ 33歳

 ベースレベル107 限界突破


 ビルダーLv103

 剣士 Lv100

 剣聖 Lv1

 錬金術師Lv89

 大魔導士Lv78

 


 スキル

 S構築、S分解、Sカスタマイズ、S剣聖、S神眼、S錬金、B集中、B修得、S神速、S魔法、A作成、A異世界言語、A体術、A斬撃、A常温、Aヴェノムアタック、SS神力、C隠伏


 ユニーク

 インベントリ

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 S剣聖にしたことで剣聖のジョブが追加され、ビルダーが100を超えたことでSカスタマイズか追加されていた。


 カスタマイズ?どう言うことだ?

 まぁそのうちわかるだろう。

 剣聖の力も見ないとな!


 さっさと家に帰って寝るか。

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